ジェルのセルフネイルをやり始めて、様々な知識が付いてくるとジェルには「ソフトジェル」と「ハードジェル」があることに気がつきます。
現在のジェルの主流はソフトジェルですが、ジェルネイルとして最初に登場したのはハードジェルです。現在も長さ出しや強度を出す時といった分野では活躍しています。
今回の記事では、ハードジェルの特徴やメリット・デメリット、適切な使い道、オフの仕方を解説していきます。ネイリストが執筆しているので自爪を傷つけないためのポイントや、使用時のコツなどにも触れていますよ。
ハードジェルの特徴や使い方を理解して、セルフジェルネイルに上手に取り入れてみてくださいね。
ハードジェルとは
ハードジェルはソフトジェルと同じく、UVライトやLEDライトに当てると化学反応が起きて硬化する合成樹脂のことです。
ハードと言われるのは固いテクスチャーと硬化した際の強度が高いからです。
この項目では、ハードジェルのメリット・デメリットを解説していきます。
また、ソフトジェルとの違いを知って、上手にハードジェルを取り入れられるようになりましょう。
ハードジェルのメリット
・持ちが良い
・強度と耐久性が高い
ハードジェルは自爪との密着度が高いので剥がれにくく、持ちが良いメリットがあります。ソフトジェルだと3週間程度で付け替えることになりますが、ハードジェルを使用する場合は1ヶ月以上持つこともあります。
持ちが良いだけでなく、強度も高いのが魅力です。
折れたり欠けたりしにくいだけでなく、表面に傷がつきにくいので長くつややかで美しい見た目をキープできます。
薄い爪でソフトジェルだと取れやすい方でもハードジェルだと長く持つことが多いので、今持ちに悩んでいる方はハードジェルを取り入れてみてても良いかもしれませんね。
強度と持ちの良さの両方を活かせるのが「フィルイン」という技法です。
フィルインとは、ベースジェルを一層残して新たなジェルを継ぎ足してジェルを付け替える方法です。
ジェルが浮かないようにしっかり付けることや、一層きれいに残して削らなければならないところに技術が必要ですが、自爪が薄くならない付け替えの方法なので慣れてきたら挑戦してみてもいいでしょう。
ハードジェルのデメリット
・粘度が高いのできれいに塗りにくい
・ジェルリムーバーでオフできない
ハードジェルは粘度が高いので操作性があまり良くありません。特にセルフネイル初心者で、ジェルをブラシで扱うことに慣れていないときだと表面を整えたり均等に塗ったりすることに難しさを感じる可能性が高いです。
ハードジェルはジェルリムーバーでオフすることができません。なぜならジェルリムーバーのジェルを溶かすための成分であるアセトンで溶かすことができないからです。
「ハードジェルのオフの仕方」の項目で詳しく紹介していますが、ハードジェルはオフする際にネイルファイルで全て削って落とさなくてはなりません。
ネイルファイルを使う技術が必要になるのでセルフネイル初心者の方にとってはデメリットになるでしょう。
ソフトジェルとの違い
・ジェルリムーバーでオフできるか否か
・ジェルの固さ
・種類の多さ
まず1番の違いはジェルリムーバーで溶かしてオフできるかどうかです。
ソフトジェルはアセトン入りのジェルリムーバーを使えば溶けてポロポロとこそぎ落とすことができますが、ハードジェルはいくら時間を置いてもリムーバーでオフすることができません。
ジェルのテクスチャーの固さと、塗って硬化した時のつけ心地がソフトジェルとは異なります。ソフトジェルは自爪にフィットするような軽いつけ心地が特徴ですが、ハードジェルはしっかりと厚みのある仕上がりになりますよ。
昨今の主流はソフトジェルなので、ハードジェルよりもソフトジェルのほうが豊富な種類から選べます。ベースジェル、トップジェルでもソフトジェルは1つのメーカーからたくさんの種類が出ていることが多いです。
ハードジェルの使い方
ハードジェルはソフトジェルに比べ、強度や粘度が高いという特徴がわかっていただけたでしょうか。ここからはハードジェルの適切な使い道についてお話をしていきます。
長さ出し
ハードジェルは長さ出しに向いているジェルです。
ソフトジェルを使用しての長さ出しは、基本的に自爪の長さの3分の1程度の長さ出しが可能です。しかしもっと長くしたいときにはソフトジェルでは強度が足りず、割れたり折れたりしてしまうので長さ出しをすることができません。
ハードジェルなら強度を活かし、自爪の長さの3分の2くらいの長さ出しが可能なので、かなり長めに長さ出しをすることができるのです。
パーツの取り付け
ジェルの透明度と粘度の高さを活かして、Vカットストーンのような大きなパーツの埋め込みに使うのがおすすめです。部分的な使用なのでパーツさえ取り外しができればアセトンでのオフができますよ。
厚み出し
爪が薄くて強度を出したい時や、ぷっくりした厚みを出したい時に柔らかいソフトジェルだとテクスチャーが柔らかく流れやすいため、ハードジェルのほうがフォルムを作りやすいです。
ただし、厚みを出す時は硬化熱(ジェルがライトによる化学反応を起こしている時に発生する熱)に注意しましょう。
アセトンでアレルギーのような症状が出る場合
ソフトジェルをオフするために使用するジェルリムーバーには「アセトン」という成分が含まれており、この成分がソフトジェルを溶かすのでオフすることができます。
まれにこのアセトンという成分によってアレルギーのような症状が出ることがあります。
そのような方にはソフトジェルよりも削ってオフをするハードジェルのほうが向いているでしょう。
ハードジェルのオフの仕方
ハードジェルはジェルリムーバーで溶けないため、ソフトジェルとはオフの仕方が異なります。ここではハードジェルのオフの仕方を解説していきます。
正しいやり方でオフをすることで自爪を薄くすることがなくなりますよ。
1.ネイルファイルで表面を削る
180Gのネイルファイルを用意しましょう。目が粗すぎると自爪を傷つけてしまいやすくなるので180Gがおすすめです。慣れてきたら150Gなど、少し目が粗いものを使用してもいいでしょう。
ネイルファイルでジェルの表面を削っていきます。
トップジェルとカラージェルまでは、しっかりネイルファイルで削ります。
ハードジェルで長さ出しをしている場合は、ネイルニッパー(爪切り)で長さ出ししている部分を予め短くカットしておきましょう。
2.スポンジバッファーで整える
カラージェルまで削ったらネイルファイルからスポンジバッファーに持ち替えて表面を削りながら整えていきます。
ベースジェルが透明なため、自爪との区別がつきにくいので慎重に削りましょう。
3.ネイルオイルでケア
スポンジバッファーで表面を整えたら、ネイルオイルを爪の生え際と爪先の爪と皮膚の間に塗布してよく馴染ませてオフ終了です。
オフの後にすぐジェルを付け替える場合、付け替えが終わってからネイルオイルで保湿してください。付ける前にオイルを塗ってしまうと、塗る前の下準備で行う「油分除去」の工程で油分を拭き取るのが大変になるので注意しましょう。
おすすめのハードジェル3選
ここまででハードジェルの特徴やメリット・デメリット、使い方、オフの仕方を解説してきました。実際にセルフジェルネイルで使用する場合におすすめのハードジェルを3つご紹介します。
LULUGEL ハードジェル
ハードジェル初心者でも扱いやすいテクスチャーで、操作性が良いのが魅力です。大容量で厚み出しや長さ出しにも使いやすいです。ベースジェルにもトップジェルにも使用できます。
ジェルネイル ウォーターグロス (ハードタイプ30g)
ちょうど良い粘度でレベリング(ジェルが自然に流れてつるんとする特性)もするため、きれいな表面になります。トップジェルとして使用する場合はしっかり拭き取りを行ってくださいね。
グレースガーデンスーパーハード
ソフトジェルのベースジェルとの併用が可能です。ソフトジェルのベースジェルを塗った後のフォルム形成や厚み出し、トップジェルとしてこちらを使用するとベースはアセトンオフできるので自爪が傷つきにくくなります。
まとめ
ジェルネイルのハードジェルとは何かについてお話をしてきました。特徴やメリット・デメリット、使い方やオフの仕方が理解していただけたでしょうか。
ハードジェルは長さ出しや厚み出し、パーツの取り付けに便利なジェルですが、オフの際にネイルファイルでの削りが必須です。セルフジェルネイルで使用する時はネイルファイルで削るのにある程度慣れてからのほうが良いでしょう。
上手にハードジェルを使って理想のネイルに仕上げてくださいね!