最近はマニキュアのように蓋にハケがついている「ジェルポリッシュ」が数多く販売されていますが、基本的にジェルネイルを塗るには「筆」が必要です。
ジェルネイルの液は、本来コンテナという容器に充鎮されており、筆がないと取り出して爪に塗ることができません。
ハケ付きのポリッシュ型は手軽で便利ですが、プロのネイリストでもアートを描くには限界があります。
また、セルフネイラーでも続けていくうちに、「もっとデザインやアートの幅を広げたい」「塗りやすいジェルや筆を探したい」と、いろんなアイテムを試してみたくなるはず。
プロでもセルフネイラーでも、ジェルネイルを楽しむなら、ジェルネイル用ブラシは重要なアイテムの1つです。
ジェルを塗りやすくするためにも数本用意し、用途ごとに使い分けてみましょう。
今回は、ジェルネイルの筆の使い分けについて解説してまいります。
また、ジェルネイルの毛先の形にはどんな種類があるのか、そして使ったあとのお手入れ方法についても合わせてご紹介してまいります。
ジェルネイルの筆は何本使ってる?
コンテナ式のジェルを使う時は、ジェルネイル用の筆が必要です。
油彩や水彩などの絵画に使う筆や、メイクブラシではなく、「ジェルネイル用として販売されている筆・ブラシ」を使うことが大切です。
そもそもジェルネイルの液体は粘度が高く、とろみがあります。
ジェルネイルブラシは、そんな液体が操作しやすいようなコシや、くり返し使える耐久性を備えているのです。
用途の違う筆をジェルネイルに使うと、毛がすぐに消耗したり、そもそも爪に塗りにくく、扱いにくいということも考えられるので、必ずジェルネイル用を購入してくださいね。
では、ネイリストやセルフネイラーは、ジェルネイルの筆を何本持っているのでしょうか。
実は1本だけをずっと使っているという人はあまりいません。
セルフネイルがメインで、使う頻度が低くても、2~3本を使い分けているという方が多いようです。ま
た、プロのネイリストなら4~7本が平均ではないでしょうか。人によっては8本以上を細かく使い分けている人もいます。
ジェルネイルブラシは永久に使えるものではなく、消耗品です。1本だけで頑張るには限界がありますし、使い分けることでよりスムーズに塗布ができ、アートの幅が広がります。むしろ自分が使いやすければ、何本あっても良いのです。
ジェルネイルブラシの基本の使い分け方
ジェルネイルを始めたばかりの人は、ブラシを何本用意して、どのようにして使い分ければいいのか迷いますよね。そこで以下では、基本の使いこなし方についてご紹介してまいります。あくまで筆者の基準なので、自分が使いやすくなるようにカスタマイズしてくださいね。
4本を使いこなそう!
筆者は4本のブラシを使い分けています。別でアート用の細筆が2本ありますが、基本は4本だけでジェルネイルを完成させます。分け方は以下の通りです。
- ベースジェルやトップジェルなど、クリアジェルを塗る用
- 白やベージュ、ペールトーンなど薄い色を塗る用
- 黒や赤、ネイビーなど濃い色を塗る用
- ラメやホログラム入りのカラーを塗る用
4本なら机の上に全て置いても邪魔になりにくく、スムーズにジェルが塗れるのでおすすめです。さらに、下記にて1本ずつ使い方を解説します。
クリアジェル用に1本用意しよう
クリアジェルとは、その名の通りベースジェルやトップジェル、ビルダージェルやミキシングジェルなど、色味のないものを指します。
これらのジェルは、1滴でもカラージェルが混ざると、濁って本来の透明感がなくなってしまうのです。ジェルの濁りを防ぐためにも、ジェルブラシはクリア用に1本用意しましょう。
ちなみに、使い分けがめんどくさいからとクリアとカラーを兼用するとします。
しかし、例え毛先を毎回ペーパーで拭くようにしていても、クリアジェルを含ませてお手入れをしても、毛の根本には少量のジェルが溜まっていきます。
毛の根元に溜まったジェルのせいで、いつの間にかクリアジェルにカラージェルが混じってしまったり、塗っている時に混ざってしまうこともあり得ます。
やはりクリアジェル専用で1本用意するのがおすすめです。
カラージェルは薄い色と濃い色で1本ずつ用意
クリアジェルと同様に、カラージェルも薄い色と濃い色が混ざらないように2本のジェルブラシを用意しましょう。
具体的な分け方は、白、ベージュ、ピンク、ラベンダーやグレージュなどの薄い色用に1本、黒、赤、ネイビー、ブラウンなど濃い色用に1本です。
上記よりもさらに細かく分けている方もいますが、セルフネイルでブラシの数が多すぎると作業の邪魔になりますし、お手入れやぱっと見で見分けるのも大変です。
まずは2本から始めて、軸部分の色やキャップの色が異なるものを用意しましょう。キャップをしていても色分けがわかるようにしておくと便利ですよ。
古い筆をラメやホログラム入りのジェル用に使う
最近はうずらの卵のようなホロやフレークの入ったカラージェルや、マグネットパウダーやラメのたっぷりはいったカラージェルが人気です。
しかし、ホロやラメは筆に入り込みやすく、ペーパーで拭いてもなかなか取れません。
そこで、クリアやカラー用の使い古した筆を、ラメ・ホログラム用にしてみましょう。
毛先がバラバラだったり、すり減っているような筆でもOKです。
ラメやホログラムなら、多少異なる色味が混ざっても違和感はないので、神経質に筆をキレイにする必要もありません。
さらに古い筆を再利用することで、よく使うクリア用やカラー用の筆を新調する機会にもなります。
筆は消耗品なので、「使いにくいな」と思ったらホロやラメ用にして、新しい筆を購入しましょう。
毛先の形、種類をチェック
ジェルネイル用ブラシは、毛先の形も種類豊富です。形によって使い分けることで、アートやデザインがより作りやすくなります。まずはどんな種類があるのか、以下でチェックしておきましょう。
平筆はクリアもカラーも使えるオールラウンダー
スクエア筆とも言われている平筆は、非常にオールラウンダーです。
クリアジェルやカラージェルを塗るのはもちろん、グラデーションを作ったり、フレンチを作ったりと、幅広く使用できます。
筆者がネイルスクールに通っていた時、講師から「どんな時でも平筆が使いこなせれば、上手なネイリストになれる」と言われたことがあるほどです。
特に毛先の角をどう使うかが大切で、キューティクルラインや爪先など、細かい部分も角をコントロールすればキレイに塗れます。
セルフでジェルネイルをはじめる際に、どのブラシを買うか迷ったら、まずは平筆を買ってみてはいかがでしょうか。
ただし毛先の幅には注意が必要です。幅が大きいと細かな部分が塗りにくく、爪が小さい方はジェルがはみ出しやすくなってしまいます。買う時は幅を確認して、地爪よりも少し小さな物を選びましょう。
ラウンド筆は塗りやすさ抜群
オーバル筆とも言われているラウンド筆は、毛先が半円のようにカットされています。
キューティクルラインに沿って塗ることができるので、平筆と同じくクリアジェルやカラージェルを塗る時にぴったりです。
多くのラウンド筆は毛先にかけて毛量が少なくなっているので、キューティクルラインを塗っても液溜まりがしにくく、根本がジェルで分厚くなる心配もありません。
平筆でキューティクルラインが塗りにくい方は、ラウンド筆も試してみてはいかがでしょうか。
ただし、ラウンド筆も、爪の幅より小さめの商品を購入しましょう。
大きすぎると爪からはみ出しやすく、小さすぎると何回も塗らなくてはならないので、幅の確認は必須です。
ちなみに、幅の狭い商品は、アートでフラワーの花びらを描く時に最適です。
また、面に対して毛の当たり方が柔らかいので、ニュアンスネイルなどでぼかしを加えたい時にも使えます。
スピーディーにフレンチネイルが作れるフレンチ筆
毛先が斜めにカットされているフレンチ筆は、アンギュラー筆とも言います。
独特な形ですが、その名の通りフレンチが作りやすい便利なブラシです。
フレンチネイルは、フレンチラインという曲線がぼやけてしまうと、あまりキレイに見えません。
しかしフレンチ筆なら曲線や斜め線が描きやすいので、くっきりとしたライン取りができます。
フレンチネイルは平筆を使って作る人や、ラウンド筆で拭ってフレンチラインを作る方もいますが、フレンチ筆を使いこなせればよりスピーディーに仕上げられます。
さらに、フレンチ筆の半分にカラージェルを、もう半分にクリアジェルを付けて塗ることで、グラデーションネイルも簡単に作れます。ネイルデザインの幅を広げたい方は、持っていて損はありません。
細筆は長さや幅で用途が変わる
アートやライン、細かな部分の塗布に使えるのが細筆です。一口に細筆といっても、毛量や毛の長さが細かく異なり、それぞれで適した使い方があります。
毛が短い物は操作がしやすく、手描きアートも描きやすいという特徴があります。
反対に毛が長いものは、力の入れ方が難しいのですが、極細ラインやとても小さなアートも描くことができます。
そして毛量が多いものは、ジェルをたっぷり含ませることが出来るので、ドットや花びらが描きやすいです。
毛量が少ないとジェルを取る量も少なくなりますが、「ほんの少しだけここを描き足したい!」という時に最適です。
どの細筆を買うか迷う方は、セット販売品を購入し、「どれが使いやすいか」「どれをどんな時使うのが便利か」を比べてみると、ジェルネイルがもっと楽しくなりますよ。
ジェルネイルのブラシはお手入れが大事
様々な形があるので、複数本持つのがおすすめなジェルネイル用のブラシですが、ジェルという特殊な液体を扱うからこそ、こまめなお手入れが大切です。お手入れをしないと、すぐに毛先が消耗し、使いにくくなってしまいます。以下では、ジェルネイル用ブラシをお手入れする時のポイントをご紹介します。
(1)水洗いはぜったいにNG
ジェルにとって水は天敵です。水分があると持ちが悪くなったり、うまく固まらない原因になります。
汚れていてもブラシを水洗いするのは絶対にやめましょう。
(2)キャップをつけて保管しよう
ジェルネイルブラシは、どんなにペーパーで拭き取っても完全には拭き取れません。
キャップをせずにそのまま保管すると、毛先に付着したジェルが、家の電気や外からの日差しで固まってしまいます。
また、ダストが付く原因にもなります。
固まるのを防ぎ、清潔に保つためにも、キャップを付けて冷暗所に保管しましょう。
専用のキャップは単体で販売しているだけでなく、メーカーによってはブラシとセットで売られていますよ。
(3)ジェルを塗り終わったら、ペーパーで拭き取る
「ベースジェルを塗り終わった」「カラージェルを塗り終わった」などのタイミングで、毛先についているジェルをペーパーで優しく拭き取りましょう。
こまめに拭き取ることで、ジャーの中に別のジェルが混ざりにくくなりますし、塗っている時に毛先から別のカラージェルが出てきて、爪の上で色が混ざってしまった!なんてことも防げます。
(4)使い終わったらクリアジェルを付けて、ブラシ全体になじませる
クリアジェル用や、カラー用に使っているブラシは、使い終えたら簡単なお手入れをして保管しましょう。
まず、クリアジェルをブラシの毛全体に含ませます。
ペーパーの上でブラシの軸を持ったら、毛の根元までジェルが馴染むように優しく左右に動かしましょう。
その後はきれいなペーパーでブラシについているジェルを拭き取り、毛先を揃えてからキャップをつければ終了です。
毛先を揃えずにキャップを付けると、毛にキャップが巻き込まれて曲がってしまい、バサバサの毛先になってしまうので気をつけてくださいね。
(5)万能なブラシクリーナーを活用
濃いカラー用のブラシや、ジェルを含みすぎて固く、扱いにくくなったブラシは、「ブラシクリーナー」でキレイにするのがおすすめです。
ブラシクリーナーとは、その名の通りジェルネイルの筆をキレイにするための液体です。
エタノールやアセトンでもブラシについたジェルは落とせますが、毛が傷みやすく、材質によっては毛ごと溶けてしまう可能性があるので、なるべくブラシクリーナーを使うようにしましょう。
使い方は簡単です。まず、小さな容器(ペットボトルの蓋のようなサイズでOK)にブラシクリーナーを少量入れましょう。
容器に毛先を浸して、軽い力で細かくシャカシャカと動かします。
すると、だんだんと毛先がキレイになって、クリーナーが濁ってくるはずです。
キレイになったことを確認したら、ペーパーでブラシにクリーナーが残らないよう拭き取りましょう。
その後は、毛先にクリアジェルを含ませ、キャップをつければお手入れ完了です。
筆者が使用しているのはこの「Ochimusha」というブラシクリーナーです。少量でもキレイになって、新品のようなサラサラの毛になるのでとても重宝しています。
ジェルネイルに欠かせないブラシは用途によって使いこなし、毎回お手入れを欠かさないようにしましょう!
まとめ
今回の記事では、ジェルネイルの筆の使い分けや筆の使い方について紹介してきました。
セルフジェルネイルを初めてする時はまずは4本の筆を用意しましょう!
続けていくうちに自分が必要としている筆がわかるようになると思うので買い足していってくださいね!
他にジェルネイルの筆について知りたい方は、こちらの記事で紹介しています♪
https://www.nailjoshi.com/81456/
https://www.nailjoshi.com/71673/