料理が終わったあと、緊張して手汗をかいたあと、なんだか手がにおう・・・。一度手の匂いに気がついてしまうと、どうにかして消せないかと考えますよね。特に玉ねぎやにんにくを使った料理をしたあとは、非常に気になる強い匂いがします。今回は手の匂いが気になる方向けに、消臭ケアのやり方についてご紹介します。そして汗をかいた時に気になるのが、ワキの汗ジミや匂い。人前で汗をかくと、周囲にバレないかドキドキしてしまうことがありませんか?そんな汗の匂いを防ぐ「制汗剤」は、お出かけ前や汗ばむ季節に欠かせないアイテムです。しかし、肌がデリケートな敏感肌さんはかぶれや肌荒れを起こすことも。敏感肌の方が制汗剤を使用する際には、どんなことに注意すれば良いのでしょうか?
手に匂いがつくのはなぜ?
玉ねぎや長ネギ、にんにく、生魚などに触れると、手に強烈な匂いが残ってしまいますよね。これらの匂いは石鹸で手を洗ってもなかなか取れません。人と会う予定の前など、匂いがついてしまってはショックですし、ついつい気になってしまいますよね。そもそもなぜこれらの食材は匂いが付きやすいのかというと、生魚にはアミン臭というものがあり、玉ねぎや長ネギなどには硫化アリルという成分があるからです。これらの匂いは手のシワや爪の間に残りやすく、なかなか取れません。
●手汗をよくかく人も注意
人によっては手汗をたくさんかく方もいますよね。手汗は本来匂いの元にならない「エクリン腺」という汗腺から出る汗なので、臭いと感じる匂いはありません。しかし手の雑菌と手汗が反応して、イヤな匂いが出ることがあります。
手の匂いを消すには?
一度ついてしまった匂いは、石鹸を泡立てて、ゴシゴシと手をこすって洗い流しても、なかなか取れません。それは手のひらや手の甲だけでなく、細かいシワや指の間、爪の間などに匂いの元が残っているからかもしれません。
まずは手の隅々までキレイに洗う必要があります。手を水やお湯で濡らした後、石鹸を泡立てて手のひらと手の甲を洗って、さらに爪ブラシを使ってみましょう。爪ブラシで優しく爪の間を洗い、ブラシで傷つけないように手のひらもこすってみましょう。指の間や手首までしっかり洗ったら、汚れと泡を流水やお湯で洗い流します。泡などが残らないように流したら、乾いたタオルやペーパータオルでしっかりと水気を拭き取りましょう。細かい箇所までしっかり洗って、水気を取るというだけでも、嫌な匂いは軽減されているはずです。
●石鹸以外で消臭
石鹸以外にも、以下のようなもので消臭効果が期待できます。
・ステンレスで消臭
生活の知恵として、ステンレスで手の消臭ができると聞いたことはありませんか?これはステンレスに含まれる金属イオンが、匂いの元である物質と反応して除去することができるからです。ステンレスであれば何でもOKなので、スプーンやシンク、蛇口などで手をこすってみましょう。
②お茶の出がらし
お茶にはカテキンという消臭効果のある成分が含まれています。出がらしを適量手にとって、手にこすりつけて、水で洗い流しましょう。匂いを完全に消すというよりも、お茶の匂いに変わったと感じる人が多いようです。
③レモン汁
レモン汁に含まれるクエン酸で殺菌すると、匂いが消えるようです。レモン汁を手に刷り込んで、少し時間を置いてから、水で洗い流しましょう。こちらもお茶の出がらしと同じく、原因だった匂いよりも、レモンの爽やかな香りが強く出てきます。
●手汗はこまめに拭き取り&手洗い
食材などが原因ではなく、手汗が原因の場合は、タオルなどでこまめに手汗を拭き取りましょう。汗を拭き取ることで匂いが発生しにくくなります。また、石鹸で手を洗い、手汗も雑菌も洗い流すのも大切です。手汗は自分の意思で止められるものではありませんが、ハンカチやタオルを携帯して対策してみてはいかがでしょうか。
気になるマニキュアの匂いを消したい
マニキュアを塗っていると部屋中に充満するツンとした匂いは、塗っている間も、塗り終えてからも残っているからなんだか気になる・・・という人が多いのではないでしょうか。なぜマニキュアは気になる匂いがするのかというと、マニキュアにはシンナーやラッカーと同じような成分が含まれているからです。元々マニキュアは車の塗装剤から出来た副産物です。爪に塗って長持ちさせるためにも、様々な物質が含まれているので、強い匂いがついているのは仕方がないことと言えます。
ですが、塗っている最中も、塗り終えた後も気になる上に、家族やパートナーなど一緒に住んでいる人から「くさい!」とクレームが入ることもありますよね。独特なあの臭さは、すぐに消すことはできるのでしょうか?
●窓やドアを空けて換気する
マニキュアを塗っている最中はもちろん、塗った後も窓を空けてしっかり換気しましょう。すぐに匂いをなくすのは難しいですが、やはり換気をすることが一番の消臭方法です。さらに窓だけでなくドアも空けて、空気が入れ替わるように通り道を作りましょう。空気が入れ替わるスピードは、通り道を作っているか否かで変わります。窓を一つ開けただけでは換気スピードも非常に遅いので、ドアも開けて、部屋全体の空気が入れ替わるようにすることが大切です。
●換気扇や空気清浄機を使う
ネイルサロンでは施術をする部屋に換気扇がついていたり、空気清浄機を設置しています。さらに窓を開けておけば、マニキュアや除光液、アクリルネイルを使っても、「くさい!」と感じることはまずないのです。ですが、窓を開けられるのは晴れている日や気温が丁度よい時だけです。寒い冬や雨がザーザー降っている日は、なかなか窓を全開にできませんよね。そんなときは換気扇や空気清浄機を使いましょう。換気扇が部屋にないという方は、いっそのことキッチンや浴室でマニキュアを塗るのはいかがでしょうか。塗るタイミングだけ換気扇があるところを使えばいいので、椅子を持ってきてササッと塗り終えてしまいましょう。
●無香料の消臭剤や消臭スプレーを常備
すでに匂いが充満してしまった場合は、窓もドアも開けて換気する必要があります。さらに対策として、無香料の置き型消臭剤や、消臭スプレーを常備しておくと安心です。香りのついた消臭剤では、マニキュアの匂いと混ざってさらに臭いと感じてしまうかもしれません。置き型の消臭剤は空気が通る場所におきつつ作業をしてみてください。そして、消臭スプレーはマニキュアを塗り終えたら、部屋の上に向かってふわっとまいてみましょう。数回シュッとスプレーをするだけでも、だんだんと匂いが気にならなくなるはずです。
ワキの汗と匂いの仕組み
皮膚には「エクリン腺」と「アポクリン腺」という2種類の汗腺があります。全身に分布する「エクリン腺」から分泌される汗は、無色透明で匂いはありません。しかし、汗に含まれる皮脂や老廃物が、皮膚常在菌によって分解され、腐敗することで嫌な匂いが発生します。また、ワキの下などの特定部分にだけ分布する「アポクリン腺」は、粘り気のある白い濁った汗を分泌します。この汗は、たんぱく質を多く含むため、微生物の作用を受けやすく、強い匂いを発生させます。
制汗剤の役割とは?
制汗剤には、汗ジミや匂いを抑制、また、汗の分泌を防ぐ目的があります。そして、汗が出ないようにするためには
・収れん剤で汗に含まれるタンパク質を固めて汗腺の出口をふさぐ
・パウダーで汗や皮脂を吸着する
といった仕組みが用いられます。
また、デオドラントタイプの制汗剤には汗の分泌を減らす以外にも次の効果があります。
・抗菌剤や殺菌剤で雑菌の繁殖を抑制する
・香料でいやな匂いを隠す
効果の高い制汗剤もあるのですが、これらの成分の中には敏感肌には刺激の強いものもあるので、選ぶ時には製品情報をよくチェックして肌にやさしいものを見つけましょう。
敏感肌が避けたい制汗剤の成分
市販の制汗剤に含まれる有効成分で、敏感肌には刺激になる可能性があるものを挙げておきます。
・収れん剤
フェノールスルホン酸亜鉛・塩化アルミニウム・乾燥硫酸アルミニウムカリウム(焼ミョウバン)など。特に、病院で処方されることもある塩化アルミニウム水溶液は、皮膚への刺激が強く、敏感肌にはおすすめできません。焼きミョウバンは、ワキガの民間療法に使われることもあり、一見肌にやさしそうなイメージがありますが、敏感肌の方はかぶれる可能性があります。
・防腐剤
BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)、パラベンなど
・抗菌剤
塩化ベンザルコニウム・イソプロピルメチルフェノール・トリクロサン・PG(プロピレングリコール)など。
これらの抗菌成分は、抗菌石けんや化粧品にもよく配合されている成分ですが、敏感肌には刺激となる可能性があります。
制汗剤でどんな肌トラブルが起こる?
制汗剤を使うと、実際にどんな肌トラブルが起こりやすいのでしょうか?
・接触性皮膚炎(かぶれ)
皮膚を刺激する成分がわずかでも入っていると、敏感肌にはかゆみ、赤み、発疹、水ぶくれ、ヒリヒリした痛みなどの炎症が起こることがあります。特に塩化アルミニウムは、強い痛みを引き起こすこともあるので注意が必要です。
・肌荒れの悪化
ムダ毛処理などで元々荒れている肌に、制汗剤を使うことで肌荒れがさらに悪化することもあります。
・汗と薬剤が混ざってかぶれる
汗と薬剤が混ざると皮膚を刺激すること場合があります。
・ワキの黒ずみ
刺激と炎症を繰り返した結果、色素が沈着してしまいます。
敏感肌が制汗剤を選ぶなら
敏感肌さんが制汗剤を買う際は、下記のようなものを選ぶようにしましょう。
・無添加、無香料
・アルミニウムフリー
・柿渋エキスなど植物性の消臭成分が配合されたもの
・直塗りではなくスプレー、クリーム、シートタイプのもの
・保湿効果のあるもの
などがオススメです。制汗剤は、汗をかく前の清潔な肌につけるようにすると制汗効果が高まり、かぶれも防ぎます。また、制汗剤だけに頼るのではなく、消臭下着、衣類の消臭スプレー、ワキ汗パッドなどを併用して、制汗剤の使用をなるべく抑えることも肌の為だといえますね。