地爪が割れやすく、すぐに欠けたり折れたりして困っている方は意外と多いのではないでしょうか。地爪が弱い人の中には、あまり伸ばしていなくても、ジェルネイルをつけていても、いつの間にか割れてしまうという人も居るようです。一度割れてしまうと、その部分をカットするまでなくなりませんし、対処しないとさらに亀裂が大きくなってしまうことがほとんどです。そして、これは筆者のケースですが、独学でジェルネイルを始めた時、間違ったオフのやり方をしていたせいで、地爪が大きく傷んでしまい、亀裂がすぐに入るような爪になっていたことがあります。先天的に地爪が薄いという人もいますし、筆者のようにネイルや外的要因によって爪が薄くなってしまう人もいるのです。今回の記事では、爪が割れるのを防ぐには、どんな対処法があるのかをご紹介します。実は100均のマニキュアやネイルケアグッズでも、爪の割れを防ぐセルフネイルができるのです。また、爪が割れる主な原因についても合わせてご紹介してまいります。
爪が割れるのは何が原因?
爪は指や手にとって欠かせない大切な器官です。人が日常的にものを掴んだり、ボタンを押したり、ペンで字がかけるのは、指先の力を爪が支えているからなのです。また足の爪は、立ったり歩いたりするときの支えになっています。イメージしにくいかもしれませんが、足の爪がないと足先に力が入りにくくなり、転んでしまったり、上手く歩けなくなることもあるのです。
そんな大切な器官である爪は、残念なことに割れやすく、欠けたり折れたりしてしまうこともあります。ネイルを楽しんでいる方の中には「地爪が薄いから割れてしまう」と悩んでいる方が多いようですが、爪が割れてしまう原因には一体どんなものがあるのでしょうか。
●間違ったオフが原因
ジェルネイルやアクリルスカルプチュアでネイルを楽しんでいる方は、オフの仕方が原因で爪が割れやすくなっているかもしれません。
そもそも、ジェルネイルやアクリルスカルプチュアといったアイテムは、正しい施術をすれば非常に持ちが良く、長い間ネイルが楽しめます。シェラックやジェルポリッシュといった短期間向けのジェルでも約1~2週間は持ちますし、ジェルネイルやアクリルなら3~4週間はつけっぱなしでもOKです。しかし、持ちが良いということは地爪にしっかりと定着するという証拠です。地爪にぴったりとくっついているのに、急いでオフをしようと隙間から無理やり剥がそうとすれば、地爪まで傷ついてしまうのは想像に難くないのではないでしょうか。
「ジェルやアクリルをしているせいで爪が傷んでしまう」と考えている人もいますが、ジェルやアクリルの素材が爪を傷つけているのではありません。どちらかというと、オフのほうがで地爪を傷つけやすいのです。
ジェルやアクリルをオフするときは、基本的にファイル(やすり)やネイルマシン、アセトンなどの溶剤を使って落としていきますが、無理に取ろうとすると爪の表面が傷んでしまいます。必ず以下の項目をチェックしながら、優しくオフしていきましょう。
- ジェルやアクリルを爪から無理やり剥がそうとしない
- アセトンで溶けていないのに取ろうとしない
- ファイルやネイルマシンで地爪まで削らない
- アセトンで爪から浮いてきた部分だけを取り除く
●乾燥が原因
爪は乾燥によって脆くなり、割れやすくなることがあるので注意が必要です。そもそも爪自体は水分を蓄えたり、保つための機能がありません。水分を通すことはできますが、潤いを保ち続けるようなことはできないのです。ではいったいどこが爪の水分を保ち、乾燥を防いでいるのでしょうか。その大切な役割は、硬い爪の下にある「爪床」という皮膚が担っています。
爪には血管も神経もありませんが、爪床には小さな血管と神経が通っており、そのおかげで、爪の潤いと栄養、適度な柔軟性を保つことができます。つまり、爪の乾燥とは、爪床が乾燥していることを指します。冷えや血行不良、水仕事による指先の酷使が続くと、爪床の水分が失われ、乾燥が激しくなり、爪の割れに繋がるのです。
●栄養不足や睡眠不足が原因
意外な原因としてあげられるのが「栄養不足」と「睡眠不足」です。とはいえ現代は食生活が充実しているので、栄養不足に陥るなんて考えづらいですよね。しかし、偏った食事やダイエットによって、爪に必要な栄養が不足する事があるのです。
爪の主成分は「ケラチン」というタンパク質です。ケラチンは、爪だけでなく髪の主成分でもあり、皮膚の角質層にも含まれています。爪自体は硬いので、骨と似ている=カルシウムを取ればよいのでは、と考えている方も多いのですが、皮膚の仲間でタンパク質が必要と覚えておきましょう。
つまり、爪が弱く割れやすいという方は、タンパク質を中心とした栄養が足りていないのかもしれません。特にダイエットをしている方は、食事制限によって体を作る栄養を取らずに過ごしている人も多いです。また、タンパク質は食事から摂取すると、筋肉や内蔵へと優先的に補給されていきます。十分な量を取っていないと、爪や髪まで栄養が行き届かなくなってしまうのです。
そして、睡眠不足も爪が弱くなる要因の1つです。人の体は眠っている間に、体の細胞を修復し、新たに作り出しています。睡眠時間が短いと、細胞分裂が滞り、爪や皮膚も丈夫なものが作られなくなるのです。
●遺伝の影響
家族で爪が薄い人がいる方は、遺伝によって地爪が弱いのかもしれません。これはあまり知られていませんが、爪は遺伝の影響をかなり受けやすい部位なのです。爪の厚みや硬さ、形は、両親や祖父母の遺伝子によって決まります。分厚くて丈夫な爪を持っている親から生まれた子供の爪は、同じように丈夫というケースが多いのです。ちなみに、縦長の爪や平たい爪など、爪の形も遺伝が関わっているので、気になる方は親や家族の爪をチェックしてみましょう。
爪が割れるのを防ぐ方法
爪が割れてしまう原因には様々なものがありますが、防ぐための方法もいくつかあります。自分の爪に合う対処方法を見つけましょう。
●爪の形をスクエアオフにする
爪先に向かって細くなるオーバルやポイント、スクエアトゥなどの形は、衝撃を受けると1点に集中しやすく、折れや欠けにつながってしまいます。割れにくい爪の形は、衝撃が分散しやすいスクエアオフです。先端を平らに整え、爪の角は少し丸みをつけておきましょう。爪切りでは作りにくい形なので、エメリーボードを使って整えるのがおすすめです。
●爪の長さは短めをキープ
長い爪はどうしても折れやすいものです。爪の先端である白い部分を「フリーエッジ」と言いますが、このフリーエッジの長さは1ミリ以上、3ミリ以下にして、短めにするのがおすすめです。4ミリ以上あるフリーエッジは、ジェルやアクリルをつけていないと途端に折れやすくなり、丈夫な厚い爪を持っている方でも割れてしまう傾向にあります。
手の爪は1ヶ月で1.5ミリ前後伸びるので、2~3週間に1度エメリーボードで長さを調整しましょう。
●爪切りではなくエメリーボードを使う
フリーエッジを短くするときは、パチンとカットする爪切りを使うのが一般的です。しかし、爪切りは刃によって爪を力強く押し切るので、パチンと切ったときの衝撃でフリーエッジの断面はギザギザになってしまいます。ギザギザの断面をそのままにしておくと、ぶつかった衝撃で割れてしまったり、先端から二枚爪になりやすいのです。
そこで、爪切りではなくエメリーボードを使うようにしましょう。エメリーボードは地爪を削るものなので、ネイル用の他のやすりよりも目が細かくなっています。フリーエッジをやすりがけすることで、断面がなめらかになり、爪割れや二枚爪になるのを防ぐことができるのです。
エメリーボードはネットショップやバラエティーショップ、ドラッグストアでも売られていますが、上記のようなネイル用品メーカーが販売している商品を使うのがおすすめです。使うときは、力強くやすらずに、軽い力で少しずつ削っていきましょう。
●ジェルやアクリルはおやすみ
ジェルやアクリルは、付けることで地爪がコーティングされて、爪が割れにくくなるように思えますよね。しかし、爪がぺらぺらに薄く、なんだか頼りないほど傷んでいるというときは、ぐっと我慢してジェルネイルやアクリルスカルプチュアをおやすみしましょう。薄すぎる爪では、以下のような点が問題となり、ジェルやアクリルで爪をさらに傷つけてしまうかもしれないのです。
- 付け替えのオフでどうしても地爪に負担がかかる
- ジェルやアクリルがついている安心感から、爪先を雑に扱いやすい
- ジェルやアクリルが固まるときに地爪に負荷がかかりやすい
- ジェルの硬化熱でやけどする可能性が高い
ジェルネイルやアクリル、マニキュアは正しく使えば安全に楽しめますが、それは爪を装飾しても、人体への悪影響がほとんどない部位だからです。爪に何もついていない時と比べれば、ネイルをすることは大なり小なり負担がかかります。そして、割れやすい爪だからこそ今すぐにでもジェルをつけてコーティングし、安心したいという気持ちもわかります。
しかし、爪が傷むループから脱出し、健康的な爪で長くネイルを楽しむことの方が大切ではないでしょうか。爪は3ヶ月から半年ほどですべて生え変わるので、未来のキレイな爪のためにも、一度我慢して、地爪のまま過ごしましょう。
●栄養バランスと睡眠時間を重視
前述の通り、爪はタンパク質によってできています。しかしタンパク質だけを取っていても丈夫な爪にはなりません。必要な栄養を体に行き渡らせるためにも、基本的な栄養バランスを守って食事を取るのがおすすめです。ビタミン・ミネラル・糖質・脂質・タンパク質をバランスよく取り、足りないときは牛乳や豆乳、プロテインなどを飲んで、タンパク質を補給しましょう。食生活の改善は、すぐに効果を実感できないのがネックです。しかし、続けていくうちに爪が丈夫になったのを実感できるので、根気よく続けましょう。
そして睡眠は6時間以上取ることが大切です。忙しい毎日を送っているとなかなか難しいかもしれませんが、布団に入る時間と起きる時間を一定にして、バランスを整えていきましょう。
爪の割れを防止するならマニキュアがおすすめ
日常的に爪の割れを防止するなら、ジェルネイルではなくマニキュアがおすすめです。マニキュアなら爪に大きな負担をかけずに、割れ防止としてネイルが楽しめます。また、ジェルネイルはセルフだと強引なオフでさらに負担がかかる可能性があるのです。マニキュアなら塗り重ねることもできますし、オフもノンアセトンの除光液でするっと取れたりするので、ケアもしやすいのではないでしょうか。
ただし、今にも爪が割れそう、爪がボロボロというひどい状態の時は、マニキュアを塗るのもおすすめできません。前述の通りネイルケアで爪を短く整え、地爪で過ごしましょう。
●爪の割れ防止マニキュアは100均アイテムでもOK
爪の割れ防止に使うマニキュアやネイルケア用品は、コスメショップやドラッグストアに売っているものはもちろん、100均で揃えてもOKです。ダイソーやセリア、キャンドゥなど大手100均では、ネイル用品を多数取り扱っています。特にネイルケア初心者なら、100均でお得に道具を揃えるのが取り入れやすそうですね。
●100均で買えるマニキュアとネイルケア用品
・爪やすり
地爪を削って短くしたり、形を整えるために使います。100均では、ステンレスなどで出来た繰り返し使える商品もあれば、厚紙で出来た使い捨てタイプもあります。
選び方ですが、傷んだ爪には使い捨てタイプの爪やすりがおすすめです。割れやすくなっている爪は厚みが薄くなっており、全体的に柔らかいですよね。ステンレスの爪やすりだと、やすりの目が荒く、力が入りやすいので大きく削れてしまうのです。使い捨てタイプならやすりの目が細かい商品が多いので、薄い爪でも負担をかけずに優しく削れますよ。
・ベースコート
100均ではマニキュアも様々なカラーや種類が売られています。特におすすめなのが、補強のできるベースコートです。通常のカラーマニキュアやベースコートでは、コーティングするための厚みがあまり出ません。そこで、「補強」や「爪割れ防止」と書いているベースコートを使いましょう。種類は少なめですが、補強ベースコートを売っている100均は意外にも多い印象です。ナチュラルな色がつくタイプと、透明なタイプがあるので、お好みで選んでください。
・ノンアセトンリムーバー
アセトンという成分が入っていない除光液です。ノンアセトンリムーバーは、実は100均でも購入できるのです。アセトンはジェルネイルやスカルプも落とせる強力な溶剤ですが、その分爪や皮膚にかかる負担も大きめ。爪や皮膚が乾燥して、傷んだ爪がさらにもろくなってしまう可能性が高いので、マニキュアを落とす時はなるべくノンアセトンリムーバーを選びましょう。
ただし、ラメの入ったマニキュアや濃い色のマニキュアは、ノンアセトンのリムーバーだと落ちにくいです。そんな時はコットンにたっぷりと含ませて、爪の上で押さえながら30秒待ちましょう。しっかりとリムーバーを染み込ませることで、落としやすくなりますよ。
爪割れ防止のマニキュアやネイルケアグッズが100均でも購入できるのは嬉しいですよね。ネイルケアは難しそうと思っている方も、まずは100均で道具を揃えてトライしてみてはいかがでしょうか。
ジェルネイルがしたいときはフィルインがおすすめ
地爪が傷みすぎていなければ、ジェルネイルをしてもOKです。ただしアセトンですべてをオフして付け替えるような方法ではなく、フィルインで付け替えるようにしましょう。
フィルインとは、ネイルマシンでトップジェルとカラージェルを削り、ベースジェルだけを残し、上から新たにジェルを塗り重ねて、付け替えていく方法です。この付け替え方法なら、オフで削りすぎることがないので、地爪に負担がかからずジェルネイルが続けられます。
フィルインの付け替えはセルフネイルでは難しく、ネイリストでも練習や知識が必要な技術です。ですが、近年は導入しているネイルサロンも続々と増えているので、フィルインのリピーターが多いお店で一度施術を受けてみてはいかがでしょうか。