爪先や甘皮周りの角質は、ニットを着る時やストッキングを履く時などに引っかかってしまい、気になる方も多いのではないでしょうか。角質は指や爪周りだけでなく、かかと土踏まず、こめかみ、顎などにも溜まりやすいです。乾燥肌の人は特に角質ができやすく、顔が乾燥してゴワゴワとしはじめるのは、角質が溜まっている証拠かもしれません。もちろん手や指先にも角質は溜まります。特に指先や爪の横はできやすく、触って硬い部分があるとなんだか気になってしまいますよね。筆者も指の角質はついつい気になって、セルフケアで除去するようにしています。特に中指は甘皮が硬くなりやすく、ペンだこも出来やすいので、キレイにケアをしておきたい部分です。では、困った角質はなぜ出来てしまうのでしょうか。今回は、角質が溜まる理由と、中指の甘皮にできる硬い角質を除去するケアのやり方、その他の部分の角質について解説します。
角質ができる理由
甘皮や指先、爪の横、かかとなど、手や足には角質が溜まりやすいですよね。また、気が付かないうちにこめかみや頬、顎などにも角質ができることもあります。角質ができる主な原因は「乾燥」と「摩擦などの刺激」です。1つずつ詳しく解説して参ります。
乾燥が原因
皮膚の表面である表皮は、一番上から「角質層」「顆粒層」「有棘層」「基底層」と4層に分かれています。角質として固くなる部分は文字通り角質層であり、この層は他の層で細胞分裂が終わってたどり着く部分です。角質層でもさらに10層以上が重なってできています。通常はターンオーバーによって古くなった角質層が自然と剥がれていき、硬い部分もなくなっていきますが、角質層が正常な状態でないと、ターンオーバーが遅れてしまい、硬い角質がどんどん重なってしまうのです。
ターンオーバーは加齢によって自然と遅くなりますが、遅くなる原因には「乾燥」や「紫外線」などもあります。例えば、皮膚が乾燥してしまい、スキンケアでも保湿が足りず、角質層の水分含有量が少なくなると、ターンオーバーが遅れて古い角質が剥がれなくなります。また、紫外線も肌にとって悪影響です。日焼け止めなどを塗らずに日差しを浴びると、紫外線が皮膚を直撃し、多かれ少なかれ炎症を起こしてしまいます。炎症を起こしているせいで、ターンオーバーも乱れてしまうのです。
指や手の角質層は特に乾燥しやすく、硬くなりやすいのです。例えば仕事で紙やペンを持つことが多かったり、パソコンのキーボードを打つ機会が多い人は、紙やペン、キーボードに触れることで皮脂が奪われてしまい、カサカサと乾燥しやすくなっています。また、洗い物などの水仕事や、お掃除、洗濯物干しなど、日常生活で行う家事も、乾燥の原因になります。特に洗い物をする時に、お湯を使っていると指や手元にある皮脂がお湯で流れてしまうので、乾燥も激しくなります。お湯を使ったほうが油汚れは落ちやすいですし、寒い時期は冷たい水で洗うのも大変なので、ついついお湯を使いたくなりますが、手にとっては乾燥の原因になるので注意しましょう。
摩擦などの刺激が原因
乾燥だけでなく、皮膚への刺激も角質が溜まりやすくなる原因です。皮膚には、外傷や刺激から体を守ろうとして分厚くなる働きがあります。足の裏やかかとに角質ができやすいのはまさにそのせいで、立ち上がったり、歩いたり、靴を履くといった刺激によって、皮膚が分厚くなり、角質層がカチカチになってしまうのです。足は自分の体を支えているパーツなので、指や顔などに比べて角質もできやすくなっています。
そして足だけでなく、手の指先や甘皮の角質も刺激が原因となっている可能性が高いです。仕事や趣味で細かい作業をしている人や、家事・育児で忙しい方は、指の横にカチカチの角質ができやすいのではないでしょうか。また、日頃からペンを持ったり、ネイリストのように指で道具を支えることが多い方は、人差し指や中指、親指の甘皮に角質が溜まりやすく、硬くなってしまいます。筆者の場合、ペンやネイル用の筆を持つ時の癖のせいで、利き手の中指の甘皮部分に角質が溜まってカチカチになります。このように、日常生活の些細な動作でも、繰り返すことで角質が溜まる原因となってしまうのです。
甘皮や指先の角質はウォーターケアで除去!
気になる角質は、セルフネイルケアでしっかり除去することが可能です。特に甘皮や指先にできた角質は、ネイルケア初心者でもトライしやすいので、道具を揃えて気軽にはじめてみましょう。以下では、ニッパーを使わない手軽な角質除去をご紹介します。
●必要な道具
・エメリーボードまたはファイル
エメリーボードは紙製の爪やすりです。ファイルは地爪だけでなくジェルやアクリルなどを削るときにも使います。強力に削ることができるのはファイルですが、今回は皮膚に使うので、優しく削れるエメリーボードを用意するのがおすすめです。セルフジェルネイルをしている方は、既に何回も使っているファイルでもOKです。
ネイリストのおすすめポイント:使いやすい大きさでベーシックなエメリーボードです。エメリーボードの目の粗さはこの商品のように180Gがおすすめです。
ネイリストのおすすめポイント:他のエメリーボードとくらべて少し柔らかさのあるタイプです。目の粗さが面で異なるので、削る時は120G、断面を滑らかにする時は200Gと使い分けられます。
・スポンジバッファー
スポンジ製のやすりです。爪を削った時に出る欠片である「バリ」や、爪の表面の凹凸をなだらかにする時に使います。柔らかい素材でできているので、やすりですが爪をたくさん削ることはできません。ですが、ネイルケアやジェル・マニキュアを塗る時にあると便利なアイテムです。
ネイリストのおすすめポイント:片面は100G、もう片面は180Gと目の粗さが異なるバッファーです。バッファーの目の粗さは100~180Gがおすすめなので、この商品のように使い分けできる商品を購入してみましょう。
ネイリストのおすすめポイント:断面を整えるだけなら、200G以上のバッファーがおすすめです。滑らかな表面にしたい時や、軽くやすりたい時に便利なアイテムです。
・シャイナー
爪の表面をツルツルにするための道具です。ネイルケアでは仕上げに使うことがほとんどです。目がとても細かいタイプのやすりで、削るというよりも磨くために使います。ただし、磨きすぎると爪や皮膚が薄くなってしまうので気をつけてくださいね。
ネイリストのおすすめポイント:ネイル検定を取得する時にもおすすめなシャイナーです。プロも使っているモアクチュールというブランドなので安心して購入できます。
ネイリストのおすすめポイント:シャイナー面だけでなく、爪の凹凸を整えるバッファー面もある商品です。購入しやすいプチプラなのも嬉しいポイント。
・水またはぬるま湯と、指先が入るボウル
角質をふやかすために使います。水またはぬるま湯をボウルに入れて、指先を浸していきます。大きさがちょうどよければ、ボウルではなくマグカップなどでもOKです。
・ネイルオイル
爪や指先を保湿するためのアイテムです。ウォーターケアをした後に使いますが、指先の乾燥が気になる方は毎日使うことが大切です。商品によって形状に違いがあり、内容成分も異なりますが、植物性のオイルや、香りがついているものが日常的に使いやすいのではないでしょうか。
ネイリストのおすすめポイント:マニキュアのように蓋にハケがついている、ベーシックな形状のネイルオイルです。スプリングブーケの爽やかな香りが人気。
ネイリストのおすすめポイント:ペンタイプのネイルオイルはコンパクトで持ち運びやすいです。メイクポーチに入れて、外出時の乾燥が気になる時に使いましょう。
ネイリストのおすすめポイント:スポイトがついているオイルは使う量を調整しやすくなっています。華やかな金箔入りのオイルで、プレゼントにもぴったりです。
●甘皮の角質ケアのやり方
①ボウルに水かぬるま湯を入れて、指先を浸す。
角質を柔らかくするために、水かぬるま湯に浸してふやかします。3~5分程度がおすすめです。
②エメリーボードやファイルで角質を軽く削る
角質をふやかしたら、指先の水気をタオルやペーパーで拭き取ります。その後、エメリーボードかファイルを使い、角質を軽く削っていきましょう。かかとの角質を軽石で削るようなイメージですが、力を入れてやすりを動かすと皮膚を大きく傷つけてしまいます。軽い力で細かく動かしてみてくださいね。
ここで、気をつけてほしいのが「削りすぎ」です。カチカチの角質は削ることでだんだんなくなっていくので、嬉しくなってついついやりすぎてしまう人が多いです。しかし、削り過ぎはまだターンオーバーを終える前の角質層まで除去してしまいます。前述の通り、皮膚は刺激があると体を守ろうとして角質層をさらに分厚くします。削り過ぎで、今後角質をさらに分厚く、硬くしてしまう可能性があるので、「少し角質が残っているかも?」と思う程度で終えましょう。
③バッファーで凹凸をなめらかにする
スポンジバッファーを使い、②でザラザラになった表面をなめらかにしましょう。面ごとに目の粗さが違うバッファーを使っている場合は、最初に目が粗い方を使い、その後に細かい方で整えます。バッファーもエメリーボードの時にのように、細かく、軽く動かすのがおすすめです。
④シャイナーでつるんとした表面に
シャイナーを使って、さらになめらかに、つるんとした表面に仕上げます。ちなみに、シャイナーの表面は傷がついてしまうとツルツルにする効果が弱まってしまうので、扱いには気をつけてくださいね。
⑤ネイルオイルで保湿して完了
ネイルオイルを使い、爪や爪の周りにオイルを塗って、指先、爪の根元など全体になじませます。ネイルオイルを塗り終わったら、手持ちのハンドクリームで手全体を保湿するのもおすすめです。保湿が終わったら、角質ケアの完了です。
※ちなみに
セルフネイルに慣れている方は、キューティクルニッパーを使って角質をカットするのもおすすめです。切れ味の良いキューティクルニッパーを使い、角質を切った後がギザギザにならないようにカットしていきます。刃物を使うので、深く切りすぎないように注意しましょう。
まとめ
中指の甘皮や、指の横に出来る硬い角質は、乾燥や日常生活の刺激が原因で出来ているかもしれません。こまめな保湿をすると角質が硬くなりにくく、ターンオーバーの正常化も期待できるので、日常的にネイルオイルやハンドクリームを使うようにしましょう。そして、どうしても気になる角質はエメリーボードやバッファーを使うことで簡単に除去できます。角質層を取りすぎてしまうと、防御反応で今後より硬く分厚い角質が溜まってしまうので、取りすぎないように気をつけてくださいね。