爪をむしる癖は、子供の頃から続いていてなかなか治らないと悩む人が多いです。
ふとした瞬間に爪が気になってむしってしまうと、爪や皮膚に様々な悪影響を及ぼします。
特に女性の爪や子供の爪は柔らかく、ヒビが入りやすかったり、折れたり欠けたりしやすいので、むしってしまう方も多いようです。
また、男性でも普段から爪を短くする意識が強いせいで、むしったりいじったりする癖が直りにくい傾向にあります。
この記事では、爪をむしる癖の原因や治す対策について徹底解説します。
爪をむしる癖の原因とは?
爪をむしる癖が治らず、悩んでいる人は老若男女問わず意外と多いです。
手の爪だけでなく足の爪をむしってしまう人もいますし、手も足もむしってしまうという人もいます。
むしってしまうタイミングは、家でぼーっとしている時、イライラしている時、緊張している時、疲れている時など様々です。
そして爪だけでなく、甘皮やささくれ、指先など、指周りの皮膚もむしってしまう人や、「爪噛み」が併発している人もいます。
爪をむしる行為は、無意識にしてしまうという方がほとんどです。
まずはどんな原因があるのかチェックしていきましょう。
ストレスが原因
爪をむしる癖の主な原因とされているのが「ストレス」です。
ストレスといっても、イライラや怒りの感情だけがストレスではありません。
例えば、学校や仕事で緊張するタイミングや、考え事をして落ち込んでしまう・不安になることもストレスの1つです。
また、嫌な臭いが気になったり、大きな音がしてびっくりするなど、嗅覚や聴覚からストレスを感じることもあります。
人間はストレスを感じると、気分を落ち着かせるために無意識に身体を動かすことがあります。
貧乏ゆすりなどはわかりやすい例ですね。
ストレスを抱えないためになんとなく爪をいじる・むしるという行為が続くと、脳が「爪をむしると落ち着く」と覚えてしまうこともあるのです。
幼少期からの習慣が原因
幼い頃から爪をむしるのが習慣化してしまい、大人になっても治らないという人もいます。
例えば、「爪の白い部分が少しでも伸びると気になる」「自分で爪を切れないし、切ってほしくても頼めない」「爪切りが習慣化しなかった」といったケースが。
このような理由からつい爪をむしってしまい、それが習慣化してしまうこともあるのです。
ちなみに、子供が自分で爪を切るようになるのは、早いと4~5歳くらいから。
また、10~11歳くらいになると子供自身が「親に爪を切ってもらうのが恥ずかしい」と思いはじめて、自分で切るようになるようです。
しかし、子供が自分で爪を定期的に切れるようになる時期には個人差があります。
爪切りが苦手だったり、爪切りをしたがらない子供に親が強い口調で指摘を繰り返すと、親に頼みづらくなったり、ストレスを感じて爪切りができなくなる原因にも。
結果的に爪むしりが治らず、親子で悩みのタネになってしまうことも少なくありません。
その他の原因
爪をむしる癖は「皮膚むしり症」や「身体集中反復行動症」という病気に当てはまる可能性があります。
皮膚むしり症や身体集中反復行動症は、ネイリスト・ネイルサロンでは治せません。
病院で診察を受け、適切な治療を受けることが大切です。
爪をむしる癖を続けるとどうなるの?
爪をむしる癖が続くと、以下のような状態になりやすいです。
以下では、爪をむしることで起こる爪や指の異変・症状を1つずつ解説します。
深爪になる
深爪とは、爪の白い部分(フリーエッジ)がほとんどないくらい短い状態を指します。
爪むしりが癖になっていると、基本的に深爪状態が続いているのではないでしょうか?
実は、深爪は爪の健康においてデメリットが多く、ネイリストとしてもおすすめできません。
これは深爪にすると、爪先と指を繋いでいる「ハイポニキウム」という部分が傷ついたり、裂けやすいからです。
ハイポニキウムが傷ついたり裂けてしまうと、指先に雑菌やゴミが入りやすく、炎症を起こして膿んでしまう可能性が高まります。
また、深爪は爪甲剥離や巻き爪、陥入爪といった症状になりやすいです。
特に足の爪は深爪が原因で巻き爪になったり、爪の角が皮膚に食い込んで陥入爪になったりして膿んでしまうこともあるので注意しましょう。
爪のピンクの部分が短くなる
爪のピンク色の部分は「ネイルベッド」と言います。
爪をむしる癖が続くと、ネイルベッドが短くなり、丸くて横長の爪になりやすいです。
見た目がイマイチになって、ジェルネイルやマニキュアをしたくても恥ずかしくてできない・・というコンプレックスを抱える人もいます。
これは爪をむしっていると深爪になり、ハイポニキウムが裂けてなくなっている状態になりやすいことが原因。
ハイポニキウムが裂けると、指と爪を繋いでいる部分がなくなってしまうので、爪が剥離しやすくなります。
剥離が続くと健康的な爪が伸びにくくなるという悪循環に陥り、ネイルベッドも不安定で短く、小さい状態になりやすいです。
爪がデコボコ、二枚爪など爪トラブルになる
爪をむしる癖が続くと、無理やり爪を短くしている状態なので、健康で綺麗な爪が生えにくくなります。
- 爪の表面がデコボコになる
- 二枚爪で割れてしまう
- 亀裂が入りやすい
- 爪先から欠けやすい
- 爪先や根元がガタガタになってしまう
- 爪が反って生えてくる(反り爪)
上記のような爪トラブルやダメージの残った爪は、爪をむしる癖が原因かもしれません。
そしてネイルベットからむしってしまうという方は、爪母という爪を作り出す部分を傷つけているので、爪が大きく波打ってしまったり、一部が肥厚化することもあります。
指先や甘皮まわりが荒れる
爪をむしり続けると指先や甘皮まわりに角質が溜まってガチガチに硬くなりやすいです。
また、ささくれや小爪もできやすい状態に。
爪や指の角質、ささくれ、小爪ができるとつい気になって、むしってしまうという人も少なくありません。
無理にむしってしまうと怪我したり、ひょう疽という細菌感染を起こすかもしれません。
爪をむしる癖は治る?
爪をむしる癖は、ネイルサロンやセルフネイルで少しずつ治せることもあれば、医療機関での治療が必要なケースもあります。
「爪むしりで何度も怪我・出血をしているのに癖がやめられない」
「爪をむしる癖で爪が大きく変形・変色してしまった」
「爪をむしる癖で日常生活に支障が出ている」
このように、爪をむしる癖が心身に大きな負担をかけている時は精神科や心療内科などを受診することをおすすめします。
また、変形、変色など爪や指に損傷がある場合は皮膚科を受診してください。
むしる癖で爪がボロボロになっており、それを綺麗に見せるためにネイルをしたいというお客様は少なくありません。
ですが、ジェルネイルやスカルプ、マニキュアは、本来の健康な爪にのみ施術できるものです。
爪や指を損傷しているとネイルの施術はできませんし、ネイリストは診断や治療といった医療行為もできません。
ネイルという美容的なアプローチで治せるのか、医療機関の受診が必要なのか。
それを踏まえた上で、自分の爪むしりの癖をどう治していくか考えましょう。
そして、「ネイルサロンやセルフで出来る分野で爪をむしる癖を治したい!」という方は、以下を参考に対策してみてください!
対策1:爪を補強してむしれないようにする
お仕事などでネイルNGでなければ、ジェルネイルなどで爪を補強し、簡単にむしれない環境を作りましょう。
爪を補強・保護する方法には種類があります。
強度やセルフネイルでもできるかどうかに違いがあるので、以下の表をチェックしてみてください。
種類 | 強度 | セルフorサロン | 特徴 |
ジェルネイル | 高い | ネイルサロン推奨 セルフネイルでもOK |
ソフトジェルよりハードジェルの使用が◎ |
アクリル | 非常に高い | ネイルサロン推奨 | 高い技術が必要なのでセルフネイルは非推奨 |
マニキュア | 低い | ネイルサロン推奨 セルフネイルでもOK |
手軽に補強できるが、強度は最も低い |
グラスネイル | 高い | ネイルサロン推奨 セルフネイルでもOK |
道具が入手しづらく、取り扱いサロンも少ない |
セルフネイルで補強をするなら、手軽ではじめやすいマニキュアかジェルネイルがおすすめです!
ジェルネイルやマニキュアは100均やドラッグストアでも種類豊富に売られていて、安価に始めやすいのが嬉しいポイントです。
ただし、ジェルネイルは基礎知識がない状態で扱うと爪や皮膚にダメージを与えてしまうかもしれません。
詳しい理由はこちらの記事をチェックしてくださいね。
また、ネイルサロンに定期的に通うならプロによって長持ちで綺麗なネイルが楽しめるので、どの方法もおすすめです!
強度重視して補強をするなら、硬くて丈夫なハードジェルを使ったジェルネイルの施術や、アクリル、グラスネイルの施術を受けてみてはいかがでしょうか?
特にハードジェルやアクリルは「スカルプ」という長さ出しをすることも可能です。
爪をむしる癖に悩んでいる方は、爪が伸ばせなかったり、ネイルベッドが短いことに悩んでいる方も少なくありません。
ハードジェルやアクリルは、今の自爪の長さから数ミリだけ長くすることも、ロングネイルにすることもできます。
補強してコーティングすれば、爪がむしれなくなりますし、長い爪にすることでキレイなネイルをキープしたい気持ちが強くなるかもしれません。
ちなみに、ハードジェルやアクリル、グラスネイルはネイルサロンによっては取り扱っていない可能性もあります。
予約する前にメニュー表をチェックしておいたり、予約時に「補強のためにハードジェルやアクリルを塗ってほしい」という旨をネイリストに伝えておくと安心です!
対策2:簡単なネイルケアをする
お仕事や生活の都合上ネイルはできないという方は、簡単なネイルケアをしてみてはいかがでしょうか。
ネイルケアは自分で出来るものだけでも、
- 爪やすりで長さや形を整える
- 爪磨きで爪の表面をツヤツヤに磨く
- ネイルオイルを塗って保湿する
上記のような方法があります。
以下で1つずつやり方を解説するので、気軽に取り入れてみてください。
また、ネイルケアはセルフでもできますが、一度本格的なケアを受けるためにネイルサロンに行ってみるのもおすすめです。
甘皮ケアがしっかり受けられるウォーターケアや、ハンドパック、パラフィンパックによる保湿ケア、専用の道具を使うハンドスパなど、サロンによって様々なケアメニューを取り扱っています。
爪やすりで長さや形を整える
爪が伸びたり、形が変わるとむしりたくなるという方は、爪やすりでこまめに削って整えてみましょう。
爪をむしってしまう方は基本的にフリーエッジが短く、1ミリ以下になっている人もいますが、ある程度形を整えることは可能です!
使う爪やすりは、やすりの目が細かい「エメリーボード」という使い捨てできるものがおすすめです!
フリーエッジがすでに短い人は、爪の両サイドの角を削って、爪先が丸くなるように整えましょう。
角がなくなることで、爪がむしりにくくなるはずです。
また、爪は伸ばしたままにすると割れやすくなるので、そのヒビからむしってしまう可能性が高いです。
フリーエッジの長さは、深爪にならない2~3ミリを保つように心がけましょう。
爪やすりを使う頻度は、常に短い状態をキープするなら1週間に1回がおすすめです。
むしろ削り過ぎで深爪にならなければ、毎日ちょっとずつ使ってもOKです。
爪をむしる前に、爪やすりで整える習慣をつけましょう。
爪磨きで爪の表面をツヤツヤに磨く
爪磨きを使って磨くことで、トップコートを塗ったかのようにツヤツヤの爪表面に仕上がります!
職場や学校がネイルNGという方でも、爪磨きは取り入れやすいのではないでしょうか?
ネイリストが使う爪磨きは「シャイナー」というアイテムですが、セルフネイル向けに便利な爪磨きもたくさん売られています。
爪磨きは、爪表面に軽い力滑らすように、2~3回ササッと磨きましょう。
これだけでもガラスのようなツヤが出てきます。
ただし磨きすぎると爪が薄くなってしまうので、かけすぎはNGです!
爪磨きを使う頻度は、2~4週間に1回がおすすめです。
それよりもスパンが短いと爪が薄くなってペラペラになってしまうので、くれぐれも使いすぎないようにしてくださいね。
ネイルオイルを塗って保湿する
ネイルオイルは爪のための保湿剤です。
こまめに塗ることで乾燥を防ぎ、適度な柔軟性を保つことができます。
爪にとって乾燥は大敵。
乾燥していると爪が割れやすくなったり、ガサガサの角質が甘皮や指先に溜まりやすくなります。
また、ささくれや小爪ができやすくなるのも爪や指先の乾燥が原因かもしれません。
ネイルオイルは爪を保湿するのに最適なアイテムです!
- 手を洗った後
- お風呂上がり
- 寝る前
上記のような乾燥が気になるタイミングでこまめに使いましょう!
塗り方は簡単で、爪の根元、爪表面、爪先に少量塗って、指先でなじませましょう。
さらにネイルオイルを塗った後はハンドクリームを塗ると効果的です!
対策3:ストレスからの開放を心がける
ストレスが原因で爪をむしってしまう方は、まずはストレスの原因を把握し、解消に向けて動くことも大切です。
とはいえ、現代社会においてストレスをなくすというのは簡単ではありません。
ストレスの原因がすぐに解決できることではないという人がほとんどです。
だからこそ、少しでもストレスを自分でコントロールできるように自分なりの「ストレス発散方法」をいくつか持っておきましょう。
ストレス発散の方法として代表的なものを挙げると、
- 運動をする
- 瞑想などリラクゼーションを取り入れる
- 趣味に没頭する
- 睡眠時間を十分に確保する
- 友人や恋人、家族とおしゃべりを楽しむ
上記のようなものがあります。
また、ちょっとした気分転換のために、
- 散歩をする
- 温かいお茶を飲む
- 好きな音楽やリラックスできる音楽を聞く
- ストレッチで身体をほぐす
上記のような方法を日常的に取り入れている方も多いようです。
ここでの目的・目標は自分に合ったストレス解消方法を取り入れて、爪をむしる癖を忘れるような時間を持てるようになることです。
「爪をむしる癖を今すぐに辞めなくちゃ」と自分の心を責め立てると逆効果になってしまうかもしれません。
すぐに治せなくても自分を責めずに、未来で治せるように少しずつ取り組んでいきましょう!
爪をむしる癖に関するよくある質問
爪をむしる癖でよくある質問に回答しました!
爪をむしる癖はどのくらいで治るの?
個人差がありますが、早いと数週間で癖が出なくなるかもしれません。
また、爪の損傷は爪むしりを辞めて半年~1年くらいで正常な状態になるようです。
癖になっている期間が短いと治るのも早い傾向にありますが、爪をむしる癖が長年治らないという人は治るまでの期間も長くかかる傾向にあります。
焦ってしまうと逆効果になるかもしれないので、自分を責めずに少しずつ改善を目指しましょう。
また、爪をむしる癖を治すために精神科や心療内科に行く場合、投薬や認知行動療法を用いることもあるので、詳しくは医師からアドバイスを受けてくださいね。
爪をむしる癖はネイルをすれば治る?
絶対に治るというわけではありませんが、自爪の状態よりもむしりにくくなります。
ジェルネイルやアクリルは硬くて丈夫な素材で、爪を触ると自爪の状態と感覚も違うので、むしろうとしてもネイルが邪魔になります。
また、マニキュアでも何かしらのカラーを塗っていれば、ネイルの色が目に留まり、視覚的な効果で爪をむしるのを抑制できることもあります。
ジェルネイルやアクリル、マニキュアはクリアでも塗っていれば自爪が綺麗に見えます。
お仕事やライフスタイルでネイルNGでなければ、一度試してみてはいかがでしょうか?
爪を噛む癖・指の皮膚をむしる癖は治る?
ネイルをしたり、ネイルケアや保湿をすることで治る人もいます。
爪をむしる癖だけでなく、爪噛みや指の皮膚をむしっていじる癖に悩まされている人も多いです。
爪や皮膚の損傷が激しい場合は皮膚科を受診すべきですが、もしネイルができる状態ならジェルネイルなどでコーティングをしてみてはどうでしょうか?
硬い素材でコーティングされると、自爪の状態を噛んだ時と違う感覚になるので少しずつ辞められたという人も多いです。
また、指の皮膚をむしってしまうという方は、ネイルオイルとハンドクリームでこまめに保湿を行いましょう。
指の皮膚が乾燥してできた角質が気になり、むしってしまうという人もいるので、保湿ケアをすることで硬い角質ができるのを防ぐことができます。
そして爪を噛む癖や指の皮膚をむしる癖も、心身ともに悪影響を及ぼしていたら精神科や心療内科を受診してみてくださいね。
まとめ
爪をむしる癖を治したい、けれどなかなか治せないと悩んでいる方はたくさんいます。
そして癖は無意識にしていることなので、すぐに治せないのも悩みのタネになりやすいです。
まずは「爪をむしる癖を治す」と意識することが重要です。
そして爪の状態や症状によっては医療機関の受診が必要なことも覚えておきましょう。
日常生活では、ストレスを発散するように心がけたり、ネイル分野で補強・ケアしていくこともおすすめします。
すぐに癖が治らないからと焦ったり、自分を責めたりしないでくださいね。
健康的で綺麗な爪を取り戻すために、少しずつ無理なく取り組んでいきましょう。