ジェルネイルをしばらくつけていると、ジェルが根本や先端から浮いてきてしまうことがあります。すると、髪の毛や洋服の繊維に引っ掛かってしまうので生活しにくく感じることもあります。しかし「1本だけ外してしまうと見栄えが良くないかな」と思って外せなかったりするためそのままにしてしまうことが多いです。浮いたジェルを着けたままにしていると、ある日ぶつけた拍子にジェルが外れた時に自爪が緑色になっていた……。このような経験をされたことはありませんか?また、付け替えのためにオフをしたらお客様の自爪が一部変色していることがあります。食品に生える青カビのように見えるためパッと見た印象で「爪にカビが生えているのでは」と思う方もいるかもしれませんが、この変色はカビではなく私達の身の回りに常に存在する常在菌の一つ「緑膿菌」が引き起こしています。今回は、緑膿菌によって自爪が緑色になる原因と対処法をご紹介します。
グリーンネイルって?カビではないの?
爪が緑色に変色することを「グリーンネイル」といいます。ジェルネイルをしている人なら誰でも起きる可能性がある爪のトラブルです。食品に生えるカビのような色に見えるので勘違いしやすいですが、カビではありません。
●グリーンネイルとは
「緑膿菌」という皮膚に存在している菌が爪で増殖することで起こります。緑膿菌は緑色の色素を生成するため、それが原因で爪が緑色にみえるのです。かゆみや痛みはありませんが、膿んでしまうと臭いが発生する場合があります。人にうつることもほぼないので、心配しすぎず悪化させないことが大切です。
グリーンネイルになる原因
緑膿菌は、湿気の多い小さな隙間で一気に増殖します。ジェルネイルが浮いた状態だとジェルと爪の隙間に水や菌が入り込み、拭き取ることができないため十分に乾燥できず菌が繁殖してしまいます。ネイルをしていない人でもグリーンネイルになることはあり、その場合は爪の上ではなく、爪と皮膚の間で発生することがほとんどです。こちらは普段から手のケアをすることで防げます。しかしジェルネイルをしている場合は、ジェルが浮いて爪との間に隙間ができると湿気がたまりやすく、気づかないうちに菌が繁殖してグリーンネイルを引き起こすことがあるのです。
グリーンネイルにはどう対処すればいいの?
もしグリーンネイルになってしまったらどのように対処すればいいのでしょうか。ジェルネイルを外して爪が乾燥しやすくすることで菌はいなくなるので、浮いているジェル部分を爪切りで切ったり目の荒いファイル(爪やすり)で削ったりしてしまうだけでも効果があります。そして変色部分が伸びきるまでは、経過がわかるように何も塗らないようにしましょう。多くのネイルサロンはオフした際にグリーンネイルの症状がみられた場合、該当の指は施術をお断りします。時間の経過とともに爪が生え変われば問題ありませんが、以下のような症状が現れた場合は病院の受診をおすすめします。
●病院への受診をしたほうが良い場合
・爪が剥がれたり爪が浮き上がったりしている
・爪が緑色から黒っぽい色に変化した
・爪自体が変形してきた
・爪の周囲に炎症が生じた
放置せず、皮膚科を受診するようにしてください。
グリーンネイルにならないために
ジェルネイルの付け替えは、一般的に3~4週間くらいです。ネイルサロンは1ヶ月以内の再来でオフ代無料など定期的な付け替えがしやすい工夫も行っています。ネイルの持ちが良くても爪が伸びてくると自爪に負担がかかり、ジェルネイルの下で自爪にだけ亀裂が入ってしまうことがあるので注意してください。
●セルフジェルネイルでの浮き対策
ジェルネイルが自爪から浮いてきてしまうことをリフティングと言います。リフティングしてしまうと前述したグリーンネイルの原因になったり自爪が折れてしまったりするので注意が必要です。もちろんネイルサロンでもリフティング対策を行っています。セルフジェルネイルを楽しむ人も増えているので、簡単にできる対策をお伝えします。
・甘皮の処理をする
・ジェルが皮膚にもれないようにする
・サンディング(爪の表面に傷をつける)をしっかり行う
・爪表面の油分と水分をアルコールでよく拭き取る
マニキュアより長い期間楽しめて、さまざまなアートを楽しめるジェルネイルですが、ケアや定期的な付け替えをしっかりしないと爪のトラブルが生じることもあります。爪の健康を維持しながらジェルネイルを楽しみましょう。