ネイルをすると爪に圧迫感を感じ、自分にネイルは合わないと諦めている人も多いのではないでしょうか。そしてそんな経験をしたことのあるほとんどの人は「ネイルをすると爪が呼吸できてない感じがする」と言います。もしそのようにネイルによって爪の呼吸を邪魔しているとしたら、ネイルをしている人は皆、爪に何かしらの不調が現れるかもしれませんよね。しかし実は、爪は呼吸をしていません。皮膚と同じように爪も呼吸をしていると思っている人が多いですが、爪は死んだ細胞が角質化したものです。そのため爪自体が呼吸をすることはありません。ではなぜネイルをすると圧迫感のようなものを感じる人がいるのでしょうか?今回は、なぜ爪の呼吸をネイルが邪魔していると思う人が多いのか?についてお話していきます。また、ネイルをしているときに爪が傷まないようにすることは大切です。爪が薄くなったり割れやすくなったりしていると適切な期間ジェルが持たない、施術中にライトで熱を感じるなどの不快なことが起こる可能性があります。そのようなことを防ぐためにもネイルをしている時の爪の注意事項をしっかり身につけておきましょう。
爪の呼吸をネイルが邪魔するというのは勘違い!
爪は皮膚の一部が指先を守るために変化して、硬く角質化したものです。そのため、切ったところで痛くも痒くもありません。爪には神経や血管も通っておらず、汗腺や皮脂線などもないので、当然呼吸もできません。つまり「ネイルをすると爪が呼吸できない感じがする」とういうのは、まさに「感じがするだけ」ということになります。ネイルによる圧迫感の原因には、ちゃんとした別の理由が考えられます。次でなぜネイルをすると爪に違和感を覚える人がいるのかをお伝えします。
ネイルで爪に違和感がでる理由
ネイルをした時に感じる圧迫感は「爪の呼吸が妨げられているわけではない」ということはわかりました。しかし、実際にネイルで爪に違和感を覚える人がいるのは事実です。以下でその理由をお伝えします。
●ネイルの成分に原因あり
ほとんどのマニキュアには被膜成分が含まれています。被膜成分には乾燥すると収縮する性質を持っています。そのためマニキュアを塗ってしばらくすると、爪がつっぱったような感覚になることがあります。そしてジェルネイルの場合は、ライトで硬化すると必ず収縮します。そのため初めてジェルをした時は、特に爪に強い圧迫感を感じる人が少なくありません。しかしほとんどの人は時間が経てば慣れてしまいます。
●爪の水分量の変化
爪は3層構造になっていて、それぞれ層の間に水分を蓄えています。そして爪はその水分を蒸発させる機能を持っていて、それを蒸散運動と言います。ネイルをすることによって、この蒸散運動による爪の水分蒸発が減り、爪の水分量が増えます。そのため、特にマニキュアを塗った際には、爪に圧迫感を感じることがあります。一見すると、厚みのあるジェルの方が蒸散運動の低下による圧迫感が強そうですよね。しかし、全てのジェルとは言い切れませんが、ほとんどのジェルにはこの蒸散運動と同じ働きがあります。そのため、水分量の増加による圧迫感は、ジェルネイルよりもマニキュアの方が強くなります。
今まで爪が呼吸できなくなることが心配でネイルを諦めていた人は、安心してネイルを楽しんで下さい。最初は圧迫感を感じるかもしれませんが、少し経つといつの間にか気にならなくなっていると思います。
セルフネイルはオフの仕方に注意!
セルフネイルでオフをするときにどのようにしていますか?もし浮いてきているところから無理やり剥がしていたり、強い力でガリガリと落としていたりするなら、自爪を傷ませてしまう可能性があるので今後はやめましょう。また、様々なデザインをしたいから、仕上がりが気に入らなかったからという理由でオフを高い頻度でやっているのも爪によくありません。ジェルネイルリムーバーや除光液は爪の油分を奪うので、乾燥につながるのです。ジェルネイルなら3週間、マニキュアなら1週間程度は付けてからオフするのが丁度よい頻度です。頻繁にデザインを変えたいという方は、リムーバーなしでオフできるピールオフベースコートやピールオフジェルを使用するのがおすすめです。
ベースジェルの代わりに使用すると綺麗にペロンとはがれます。リムーバーを使用しないでオフできるので頻繁にデザインを変えたい人や、数日だけジェルを楽しみたい人はぜひ取り入れてみてくださいね。
●正しいジェルオフの仕方
ジェルネイルの正しいオフのしかたについてご紹介します。ファイルのグリッド数や削る層のことは大切なので今一度確認してみましょう。
①150~180Gのネイルファイルで表面を削ります。ジェルが薄付きの場合は150Gだと削り過ぎてしまうことがあるので180Gが丁度よいです。削るのはトップジェルとカラージェルだけです。カラージェルがところどころ残っているかな、くらいまで削ればOK!削り過ぎは自爪を傷つけてしまうことがあるので注意しましょう。
②削れたらコットンにジェルリムーバーを染み込ませて爪の上に乗せます。そして、アルミホイルで指を巻いてコットンのリムーバーが揮発しないようにします。このアルミホイルで巻くときに隙間があるといくらやってもジェルにリムーバーが浸透せず溶けません。きっちり巻けるようにしてください。巻いたら3~5分ほど放置します。
③しばらく置けたらアルミホイルを外してメタルプッシャーかオレンジウッドスティックでジェルをこそぎ落とします。このときにジェルにリムーバーが浸透して溶けていない状態だと、全然落とすことができません。その場合はもう1度軽く削ってコットンを乗せてアルミホイルを巻き直してください。ガリガリとメタルプッシャーを動かして無理やり取ろうとするのはよくありません。
④アルミホイルは一気に外さず、1本ずつ外してオフしていきましょう。慣れないうちは時間がかかりますが爪のためにもしっかり削って溶かしてオフすることを徹底しましょう。
●ジェルが取れやすい人におすすめのアイテム
ジェルネイルが取れやすい方におすすめのプライマーです。爪先から取れやすい場合は、爪先に、根元から取れやすい方は根元部分に、サッと塗るだけで持ちが良くなります。
爪の乾燥に注意!
次に爪の乾燥にも注意が必要です。爪が乾燥すると、二枚爪や爪の縦筋、割れやすいなどの原因になります。ジェルやマニキュアを塗る前には油分除去を行うので、仕上がった後にしっかりと保湿をすることが大切です。指先と爪の保湿にはハンドクリームよりネイルオイルが適しています。ネイルオイルを指先に塗った後に、ハンドクリームを手全体に塗って保湿を行いましょう。ネイルオイルは甘皮周りと、爪先の爪と皮膚の間に塗るとしっかり自爪を保湿することができますよ。
また、ネイルをしていないときにも保湿は欠かせません。割れにくいツヤツヤした爪にして維持するためにはこまめにネイルオイルを塗ってくださいね。ちなみに自爪の育成で健康的な自爪に生え変わるまでは大体3ヶ月ほどかかります。時間がかかりますが、きちんと保湿を続けることで結果はしっかり出るのでまずは3ヶ月続けてみましょう。
つけっぱなしに注意!
最後の注意はつけっぱなしです。ジェルの適切な持ちは3週間~4週間です。そのため月1回の頻度で付け替える程度が丁度よいのですが、仕事やプライベートの忙しさからなかなか付け替えに行けないということもありますよね。しっかりくっついている状態であれば良いのですが、リフティング(ジェルの浮き)していると、その部分に湿気が溜まり「緑膿菌」という菌が繁殖してしまうことがあります。そうすると、自爪が緑色に変色する「グリーンネイル」になってしまうこともあるので注意が必要です。グリーンネイルになってしまうとジェルネイルをおやすみすることになり、場合によっては皮膚科に行って診察してもらうことが必要になります。付け替えになかなか行けないときは上記で紹介した方法でセルフオフをしておきましょう。
ネイルをしている時も自爪のケアを大切に!
ネイルをなんだか圧迫感を感じる……爪の呼吸をネイルが妨げているんじゃないの?という疑問に答えてきました。結論として、爪はもともと呼吸していません。ではなぜ窮屈な感じや圧迫感を持つのかというと、マニキュアなどに含まれている被膜成分や、ジェルの収縮などによって、そのように感じているのです。これまで爪が呼吸しなくなってしまうことを懸念してネルをしていなかった方は安心してネイルをつけてみてくださいね。その際に、付けた直後は爪に圧迫感があるように思うかもしれませんが、しばらくすると気にならなくなりますよ!また、ネイルをしているときに爪が傷まないようにすることは大切です。特に注意したいのは、セルフネイルでのオフの仕方、爪の乾燥、つけっぱなしです。これらは適切なやり方をしたりケアをしたりしないと自爪が傷むことにつながるので十分注意が必要です。健康な爪を維持して楽しくネイルを続けられるようにしていきましょう!