セルフネイルをする際に必要なアイテムの中に、「エタノール」があります。
エタノールは手指消毒や道具のお手入れ、油分・水分除去など、あらゆる場面で使用する機会が多いアイテムです。
ネイルを楽しむ上で欠かせないエタノールですが、いくつかの種類があることをご存じでしょうか。
今回はエタノールの用途や種類、扱う時の注意事項などを詳しく解説します。
ネイル初心者の方はもちろん、既にセルフネイルを楽しんでいる方も、ネイル関連の知識を深めるためにお役立てくださいね。
エタノールはジェルネイルでどんな時に使うの?
ジェルネイルをする際に使うエタノールには、いくつかの用途があります。
ここではまず、エタノールがどのような時に使われるのかを解説していきましょう。
爪や手の消毒に使う
エタノールは、ジェルネイルを施術する前に行う手指消毒の際に使用します。
この手指消毒は、爪や手に付着した病原微生物を除去し、あらゆる感染症のリスクを減少させるために必要な工程です。
手指消毒の際は、コットンにエタノールを含ませて、手の甲や手の平、指先や指の隙間などをまんべんなく拭き取ります。
なお、手指消毒はネイルサロンや検定試験でも必須の大切な工程なので、セルフネイルの際も欠かさずに行うようにしましょう。
油分や水分の除去に使う
ジェルを塗布する前に行う油分・水分除去の際にもエタノールが必要です。
爪に油分や水分が残ったままの状態で、ジェルを塗布しても弾いてしまい、キレイに仕上げることができません。
ジェルの縮みや浮きの原因にもなるので、必ずエタノールで油分・水分を取り除くことが重要です。
ジェルネイルの拭き取りに使う
ジェルネイルはライトで硬化した時に、未硬化ジェルが表面に残ります。
未硬化ジェルとは、ジェルネイルをUVライトやLEDライトで固めた時に出る「固まりきらないジェル」のことで、未硬化ジェルが残った表面を触ると少しベタベタするはずです。
これはジェルの性質上基本残るものなので、ライトのワット数や硬化時間を規定通り守って正しく硬化していても、未硬化ジェルは発生します。
トップジェルで仕上げた後に残った未硬化ジェルは、エタノールを使って拭き取りましょう。
拭き取りをしないと、未硬化ジェルが皮膚や服についたり、ダストが付着したり、ジェルが曇ってしまうこともあります。
ちなみに、商品の中には未硬化ジェルが残らないノンワイプトップジェルなどもあります。
拭き取りが面倒な時はこちらを使いましょう。
未硬化ジェルの拭き取りについてはこちらの記事でも解説しています♪
筆や道具のお手入れ・消毒に使う
エタノールはジェルネイル筆やその他の道具のお手入れや、消毒にも使用できます。
そもそも、ジェルネイルの筆は水洗い厳禁です。
施術途中でひとつの筆でカラーを替えて使用する場合も、エタノールを使って筆先のカラーをしっかり落としてから次のカラーを使用しましょう。
また、施術を終えて筆をしまう場合は、エタノールで筆先を洗浄したあとに少量のクリアジェルを筆先になじませてからキャップをしっかりはめてしまいましょう。
その他に、ネイルサロンでは道具の消毒にエタノールを使っています。
エメリーボードやニッパー、ジェルネイル用ライトなどは、お客様ごとにエタノールで消毒するのが基本です。
ネイルアートで使う
特定のネイルアートをする際に、エタノールを使用することもあります。
例えば、たらしこみフラワーアートで花びらの中心に透け感を出す時や、タイダイなどのぼかしアートで境目を滲ませる時にエタノールがあると便利です。
他には、クレイジェルで形を作る際にエタノールを使用することもあります。
クレイジェルは粘度がかなり高いジェルです。
そのため、スパチュラにくっついて取れにくいことがありますが、エタノールを使用すればスムーズに作業が進みます。
ジェルネイルで使うエタノールの種類を解説
一般的に「エタノール」と言われるものには、アルコールの濃度によって名称がいくつかあります。
それぞれに特徴があり、おすすめの用途も異なるので、ここではエタノールの種類をそれぞれをご紹介します。
1.無水エタノール
無水エタノールとは、アルコール濃度が99.5vol%以上の文字通り水分を含んでいない純度の高いエタノールのことです。
濃度が高い分、エタノールの中でも価格が一番高くなります。
水分を含んでいないため、揮発性・洗浄力が高いですが、肌に触れると刺激が強く水分・油分を奪ってしまう特徴を持ちます。
無水エタノールは、ネイルでは未硬化ジェルの拭き取りや、爪の油分・水分除去に使えます。
アルコールの濃度が高いため消毒用には使えないので注意しましょう。
ちなみに、原液のままジェルの拭き取りなどに使用すると肌が荒れてしまう場合もあるため、精製水で濃度を調整して使用することをおすすめします。
2.消毒用エタノール
一般的にエタノールと呼ばれ、多くの場面で使用されているのが消毒用エタノールです。
濃度は76.9~81.4vol%の商品がほとんどで、無水エタノールと比較すると蒸発しにくいという特徴があります。
特に80%前後の濃度の消毒用エタノールは殺菌能力が高いと言われており、無水アルコールと比べて刺激も少ないため、手指消毒やネイル道具のお手入れに最適です。
他にも、未硬化ジェルの拭き取りや、爪の油分・水分除去、ジェルアートなど、幅広い用途で使用・代用することができます。
なお、消毒用エタノールは、ネイル用品店だけではなく、ドラッグストアやネットショップでも簡単に購入可能です。
3.消毒用エタノールIP
消毒用エタノールに「IP」という記載がされた商品も販売されていますが、通常の消毒用エタノールとの違いが気になりますよね。
消毒用エタノールIPは、通常の消毒用エタノールに添加物として「イソプロパノール」が配合されたもののことを言います。
大きな違いはイソプロパノールが添加されている点のみなので、通常の消毒用エタノールと同じ用途で使用可能です。
なお、イソプロパノールはアルコールの一種で殺菌や消毒の効果があり、エタノールに比べて安価です。そのため、イソプロパノールが添加された消毒用エタノールIPは、無水エタノール・消毒用エタノールと比較するとリーズナブルな価格で購入できます。
このような理由から、ネイルサロンではコスパの良い消毒用エタノールIPを使用しているネイリストも多いです。
ネイルでエタノールを扱うときの注意事項
エタノールはドラッグストアや薬局で販売されている、手に入れやすい便利な薬品です。
しかし、使い方を間違えると大変危険なので注意しましょう。
特に以下のポイントに気をつけつつ使ってくださいね。
別の容器に移し替えるときは「アルコールOK」の容器を使う
ドラッグストアなどで購入したエタノールは大体500mlほどの大容量のものが多く、なるべく小分けの容器に移し替えて使用したいですよね。
その際は「アルコールOK」などの表記がある容器を使いましょう。
エタノールを入れる容器は100均などのリーズナブルなものでもOKですが、アルコール対応でない容器に入れた場合、ひび割れが起きたり、溶けてしまう可能性があるため注意が必要です。
素材としてはPE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PVC(ポリ塩化ビニール)の表記がある容器がおすすめです。
ディスペンサーだけでなく、スプレーボトルもアルコールOKの容器を使いましょう。
エタノールは火気に近づけない
エタノールは蒸発しやすい性質を持っており、そこから可燃性蒸気が発生するため、火気に近づけると容易に引火する恐れがあります。
そのため、エタノールをストーブやコンロ、タバコといった火気の近くでは絶対に使用しないようにしましょう。
また、可燃性蒸気が空気中に滞留するのを避けるためにも、使用時や詰め替えをする時は、必ず換気を行う必要があります。
さらに、エタノールは高温になると可燃性蒸気が発生しやすくなるため、直射日光が当たる場所や、気温が高い場所に保管するのは絶対にNGです。
エタノールを扱う時は、「火気厳禁」「定期的な換気」「冷暗所に保管する」の3点に気をつけましょう。
まとめ
エタノールは手指消毒や油分・水分除去、未硬化ジェルの拭き取りなど、セルフネイルを行う上で必要不可欠なアイテムです。
セルフネイルに慣れている方は、何気なく使用していることが多いかもしれません。
しかし、本記事でも解説しましたが、エタノールには種類があり、濃度や価格、消毒に向いているもの・向いていないものなど、若干の違いがあります。
そのため、ジェルネイルに最適なエタノールを選ぶようにしましょう。
また、火気や換気、保管場所などに気をつけながら、正しく使用することも重要なポイントです。
エタノールの用途や性質などをよく知った上で、安全にネイルを楽しんでいきましょう!