「サステナブル」という考え方をご存知ですか?
言葉は聞いたことがある、知っている、という方も多いかもしれません。実はサステナブルとは1987年から使われるようになり、じわじわと浸透していき現在のように身近に聞くようになりました。
ですからサステナブルとは、最近できた新しい言葉ではないのです。
人権・平等・経済などのあらゆる社会問題に用いられている言葉ですが、より一般的には、主に環境問題の際に用いられことが多いです。
「今ある資源や自然環境を守り維持していきながら豊かな暮らしを目指そう!」という考えが基盤となっていて、世界的にサステナブルな暮らしを求める動きになりつつあります。
地球規模・世界規模の話となると自分には関係ないような気がしますが、もはや一人ひとりが意識して行動し、地球環境を守っていかなくてはいけないところまできているのが現状だと言われています。
節水やゴミを減らし再利用する、汚染物質の削減など様々な取り組みを意識する必要があるのです。
その意識はファッション業界や美容業界にも浸透しつつあります。
再利用できる素材を使った衣服やバック、また自然環境に優しい化粧品なども年々増えています。
ネイル業界も例外ではなく、近年では環境に配慮したマニキュアが次々と発売されるなど、ネイルも環境のことを考えて楽しむ時代になってきているといえます。
今回はただ指先を綺麗にするだけではない環境に優しいネイル、サステナブルネイルについてご紹介します。
ネイルも環境を考える時代?
近年のファッション業界は地球環境への優しさを意識し、リサイクルして新しい商品を生み出す取り組みに力を入れています。
また環境問題や社会問題を考えたエシカルファッションとして、大量の動物を処分する必要があるレザー商品の使用を控えエコ素材にシフトしている企業や、リサイクルポリエステルコットンやオーガニックコットンを使用している企業も増えています。
このようなファッション業界の流れから、環境問題や社会問題、人体への影響を意識して作られたマニキュアが、今とても注目されています。
では、サステナブルやエシカルを意識して作られたマニキュアとは一体どういったものなのでしょうか。
環境に優しいネイルがトレンドに?
ネイルの中でも特にマニキュアは、昔から誰でも気軽に楽しむことができるファッションの一部として親しまれていますよね。
しかし、あの独特な化学物質の臭いが苦手な人も多いのではないでしょうか?
あの臭いの正体は揮発性溶剤の「酢酸ブチル」「酢酸エチル」で元々刺激性のある物質です。
揮発性溶剤は、適当な粘度と速乾性があるためマニキュアにはもってこいの成分なのですが、換気の悪い部屋で使用したりすると、人によっては頭が痛くなったり気分が悪くなったりと決して人体に良い物とは言えません。
また、捨てる際も環境に良い成分とは言い難いものです。
それでもマニキュアとはそんなものだとして皆使用しています。
ところが近年のオーガニックブームやサステナブルな暮らしを推奨する流れから、そんな化学物質が当たり前であったマニキュアも、身体や地球にやさしい製品が増えはじめています。
例えば、石油系溶剤の代わりに植物由来の成分を使用したものや、マニキュアに含まれている化学物質を全てカットしたもの、またリサイクル可能なボトルにこだわった製品など、近年は爪にも環境にも優しい商品が次々と発売されています。
そして通常のマニキュアと比べて割高なものが多いにもかかわらず、年々売上を伸ばしているのです。このことからもわかるように購入者の意識も少しずつ変わりつつあるのかもしれませんね。
- 植物由来の成分を使用
- 人体に影響があるとされる科学物質は全てカット
- リサイクル可能なボトルを使う
近年はマニキュアもこのようなことを意識して作られて商品が増えています。マニキュアが欲しいけど何を買うのか迷った時、「人や環境に優しいマニキュア」を基準にして選ぶのの良いかもしれませんね。
サステナブルなネイルとは
サステナブルな生活を意識しはじめたら、まずはネイルからはじめてみませんか?ではサステナブルなネイルを選ぶポイントを3つお伝えします。
有害成分が入っていないか
マニキュアの有害物質とは、ホルムアルデヒドや酢酸エチル、パラベン、トルエン、フタル酸ジブチルなどがあります。
また、除光液の主成分であるアセトンは、脱脂作用が非常に強いので、爪や皮膚の乾燥を招いてしまいます。
これらはほんの少し使うだけなら問題ないのですが、長期間繰り返し使っていると爪や皮膚に悪影響を与えかねません。
そんな心配をなくし、爪や皮膚にも優しくネイルを楽しめるのが、有害物質フリーのマニキュアなのです。
オーガニック成分は人への優しさだけでなく、環境への配慮も兼ね備えたものばかりです。
自然の恵みを活かした、有害物質フリーのネイルカラーで、爪へのダメージを気にすることなく、いつまでも健康的にネイルを楽しんでみてはいかがでしょうか。
サステナブルなネイルは、これらの有害リスクを伴う成分が一切入っていないものを意識しましょう
環境のことを考え作られている
今世界的に問題になっているのがプラスチックゴミによる海洋汚染です。
一般的なマニキュアは石油由来の成分で作られています。
そのまま捨てられることで、それらの成分はマイクロプラスチックとなって海を彷徨ことになります。
そのリスクをできるだけ回避できるよう、自然由良の成分でできているものを意識しましょう。
・マイクロプラスチックとは
マイクロプラスチックとは5mm以下の極小プラスチックのことです。プラスチックのような人工物が自然に分解されるまでには100年200年かかるといわれています。極小のため回収は難しく、マイクロプラスチックは海の生態系を脅かすものの1つです。
動物実験の有無
サステナブルな世界の目指すところは「すべての自然や生命が共生する社会」です。
動物達の犠牲の上で作られたコスメではなく、動物実験を行っていないものを選ぶようにしましょう。
おすすめの注目マニキュア
近年注目の「サステナブル」や「エシカル」などを意識したマニキュアをご紹介します。
OROSA(オロサ)
OROSA(オロサ)は2019年8月に「環境や社会にとって害のない製品」として発売された天然由来・植物由来にこだわったマニキュアブランドです。OROSA(オロサ)のマニキュアは、従来のマニキュアに含まれる有害物質といわれる14種類の成分を全て排除した、安全安心の成分のみで作られています。
参考URL⇒https://orosabeauty.com/
Kure BAZAAR(キュアバザー)
Kure BAZAAR(キュアバザー)は人にも環境も優しい、爪の自然な再生力を大切にして保護するエコナチュラルなマニキュアブランドです。パリ発のブランドで成分の90%が天然由来でできています。トリートメント成分配合で、ファッショナブルなカラーバリエーションが豊富。発色の良さと美しいツヤ感を楽しむことができます。
OSAJI(オサジ)
OSAJI(オサジ)は、自然派コスメブランドとして2017年にデビュー以来、人気の純国産メーカーです。OSAJI(オサジ)という一見ユニークな名前は、江戸時代、大名や将軍に仕える医師を、匙を使って薬を調合するすがたになぞらえ「お匙(おさじ)」と呼ばれていたことから、現代の「OSAJI(オサジ)」でありたいと考えられて付けられたブラント名です(※公式サイトより引用)。その名の通り、安心安全、そして自然の植物を思わせるような個性的でニュアンスめいたカラーバリエーションは、瞬く間に人気のマニキュアとなりました。爪を労りながら、発色の良さと美しいツヤを楽しむことができます。
ANDIZUMO(アンディズモ)
ANDIZUMO(アンディズモ)は、原材料のほとんどを出雲近郊のもので作ることにこだわった、純国産のブラントです。日本の精神が宿る国「出雲」の土地から発信される、人や地球環境に優しいサステナブルなコスメは、木を使ったボトルデザイで見た目もかわいいです。日本の色を思わせる、くすみカラーが人気です。デザイン製に優れているのでプレゼントにも喜ばれます。主成分は水で、刺激臭がなくお湯で落とすことができる爪や環境に優しいマニキュアです。
参考URL⇒https://andizumo.jp/
manicurist(マニキュリスト)
manicurist(マニキュリスト)は、人や動物、環境のことを考えた植物由来の成分にこだわった9フリーのフランス発のブランドです。ビビットカラーからヌーディーカラーまで豊富なカラーバリエーションが人気。成分の84%が野菜由来でできています。石けんやお湯で落とすことができる、安全安心のキッズ用マニキュアも人気です。
他にも、爪へのダメージが最も心配される除光液は100%植物由来という徹底ぶりで、乾燥や黄ばみの原因となるアセトンや酢酸エチルを一切使わずにマニキュアを落とすことができます。またココナッツオイルの配合により、爪が乾燥することなく、長く安心して使い続けることができます。
LOGONA(ロゴナ)
LOGONA(ロゴナ)は、有機物質フリーのマニキュアとしてオーガニック認証を世界で初めて取得。自然の原料だけで高品質なコスメ作りにこだわった、ドイツ初の本格派オーガニックブランドです。天然の材料だけで作られたマニキュアは発売以来、世界中で愛されています。
マニキュアの捨て方
サステナブルな社会を意識していくのなら、マニキュアのボトルも正しく捨てましょう!マニキュアはボトル瓶とプラスチックのキャップ部分でできています。また中の液体が残っている場合もあります。では、それぞれの捨て方をお伝えします。
キャップや刷毛の部分
プラスチック製であることがほとんどです。燃えるゴミの日もしくはプラごみの日に捨てます。
ボトル(空)
ガラス製であることが多いマニキュアのボトルは、燃えないゴミの日もしくは缶・ビンごみの日に捨てます。
マニキュアの中身が残っている
・中身を出す場合
- 中身が液状であれば新聞紙やキッチンペーパーなどに出す。
- 次に除光液をボトルに入れてキャップを締め、よく振ってボトルに残っているマニキュアを溶かす。
- キャップを開け、①に除光液で溶かした中身を出す。②③をボトルが綺麗になるまで繰り返す。
- 中身を吸わせた紙類は燃えるゴミの日に捨てる。綺麗になったボトルは燃えないごみの日もしくは缶・ビンのゴミの日。
カチカチでキャップが開かない
中身が固まってしまいキャップが開かない場合は、まるごと燃えないゴミの日に捨てます。
マニキュアの主な捨て方は以上です。それぞれの地域によってゴミの捨て方は多少異なります。自分の地域の捨て方は念のため確認してみましょう。
自爪の環境も良くしよう!
環境や人への優しさを意識したマニキュアを使用するのでれば、マニキュアを塗る前に自爪の環境も整えてあげましょう!以下で自爪のメンテナンス方法をご紹介します。
用意するもの
- ファイル(爪やすり)
- フィンガーボウル(お湯を張ったボウルでOK)
- 手を拭くタオル
- ガーゼ
- キューティクルニッパー
- キューティクルオイル
自爪のメンテナンス方法
- ファイルで爪の長さ・形を整える。
- お湯の入ったフィンガーボウルに指を浸ける。甘皮が柔らかくなったらボウルから手を出し、水気を軽く拭う。
- ガーゼをもう片方の親指に巻き付ける。巻いたガーゼの先をボウルのお湯にちょんちょんとつけ、ガーゼを湿らす。
- フィンガーボウルに浸けて柔らかくなった甘皮を、ガーゼを巻いた親指の爪先で押し上げていく。
- 爪の根本付近から爪表面をクルクルと拭いていく。甘皮にこびりついた角質や爪表面の汚れ・くすみが取れます。爪の裏側も拭いていき削りカスもしっかりと除去しましょう。
- 浮いている余分な甘皮をキューティクルニッパーでカットする。
- キューティクルオイルを塗る。キューティクル周りから爪の表面にまでしっかりとオイルを馴染ませたら完了。
甘皮を処理した後は乾燥しやすくなるので、必ずオイルで保湿してください。マニキュアを塗る前に自爪のメンテナンスをする場合も一度(1)~(7)の工程を済ませるのがポイントです。本来マニキュアを塗る前にオイルを塗ってしまうと油分でマニキュアが弾いてしまいますが、爪の環境を一度リセットし整えるためにオイルまで塗ってしまいましょう!メンテナンスを終えたらその後しっかりと石鹸を使って手を洗い、さらにエタノールで油分除去をすれば問題ありません。二度手間のようですが、しっかりと整った土台(自爪)の上にからマニキュアを塗った時の仕上がりの美しさは別格です。セルフでもサロン級の仕上がりになるのでぜひお試しください。